BB弾の種別と特長について

エアガンに沢山の種類があるように、BB弾にも沢山の種類があります。
BB弾は直接標的まで飛んでいく物で、エアガンの命中精度の大半はこれで決まるといっても過言ではありません。
ここでは、BB弾の種類やその特長、用途について説明しています。
BB弾の種別
BB弾は主原料の違いで大きく3つに分けることが出来ます。

1.プラスチック弾
成分の内100%が自然分解されないプラスチックでできたBB弾です。
大半が0.12g等軽量弾ですが、競技用の超精密弾もこの部類に入ります。
0.3gレベルの最重量弾は、比重の高い素材を使用して重量を稼いでいます。

2.セミバイオ弾
自然分解される素材(又は天然素材)と分解されない(されにくい)素材を組み合わせたBB弾です。
現在流通しているほとんどのBB弾がこの部類に入ります。
代表的な素材はマルイ0.2gの石粉、EXCELの硫酸バリウム等が挙げられます。
分解速度は非常に遅く、「いずれは風化する」レベルの物です。

3.バイオ弾
バクテリアや紫外線によって完全分解される素材でできたBB弾です。
昔はトウモロコシやでんぷんでできていて、分解は早かったのですが湿気に非常に弱いと言う弱点がありました。
現在は通常のBB弾と変わりなく扱うことができます。
他のBB弾に比べて割高ですが、屋外ではなるべくバイオ弾を使いたいところです。
以前は0.2gしか出回っていませんでしたが、近年0.12gや0.25g、さらにはそれを超える重量弾も発売され、重量が選べるようになりました。
バイオ弾=精度が悪いと言う印象もありましたが、高精度弾も多くなり、スナイパーライフルにも十分対応できるようになりました。
環境保護に徹底している海外諸国では、バイオ弾を成分分析して、確実に分解すると判明しないと
屋外で使用が出来ないという所もあるそうです。
軽量弾 0.12g〜0.2g

エアソフトガンで最も多く使用されるBB弾が、この部類です。
一昔前は、0.2gでも重量弾として扱われましたが、
近年は軽量弾の部類に属します。
0.2g未満は、パワーの低い低年齢層向けエアガンが主な用途です。

コストパフォーマンスが非常に高く、多弾数マガジンが主流の
現在のサバイバルゲームでは、最も使用されています。

BB弾の素材にもよりますが、大半の軽量弾は内部に気泡を有していて、
重心が狂ったまま回転することにより、遠距離での命中精度は悪いです。
つまり、この系統の弾を使っている以上、高い命中精度は望めないと言うことです。

また、重量が軽いことから空気抵抗でのエネルギー損失が激しく、
失速して遠距離まで届きにくい、と言う弱点も存在します。
風に流されやすいのも大きな欠点です。

連射する用途や、命中精度悪化、失速の気にならない近距離向けです。
中量弾 0.25g

軽量弾と重量弾の中間に存在するのが、0.25gに代表される中量弾です。
軽量弾に比べて気泡が少ない、または入っておらず、
遠距離での安定性は格段に向上しています。

たった0.05gの差と思いきや、実際に使ってみると体感できるほどの差があります。

コストパフォーマンスも良く、種類も沢山出回っている為
入手しやすい部類に入ります。

この重量を上限とするサバイバルゲームのレギュレーションも多く、
バイオ弾も発売されていることから、スナイパーに人気のあるBB弾です。
重量弾 0.25g以上

0.25g以上の重量を持つBB弾が、俗に呼ばれる「重量弾」です。

このクラスから1発¥1前後になってきて、
数を多く撃つには不向きになってきます。

最大の特徴はその重量で、遠距離までエネルギーを保ったまま飛翔するので
風などの外的要因に左右されにくく、軽い弾より遠距離に飛ばす事が出来ます。

これらの事から、精密射撃等の競技での愛用者が大半を占めます。
超精密弾

重量弾クラスの重さを保ったまま、品質を極めて高いレベルで維持して
製作されているのが超精密弾です。

1発\3クラスと、実銃のエアライフル用弾丸より高いと言う
コストパフォーマンスの悪い弾ですが、
その命中精度は計り知れないものがあります。
エアソフトガンの真の命中精度を計測する上で、
最低限使用しなければならない弾でもあります。

本来は高い品質を維持しなければならないクラスなのですが、
近年は品質低下が顕著で、詐欺レベルのBB弾も存在します。

使用者による「見極め」が極めて重要になってきます。
技術資料?

1.BB弾の素材

BB弾を選ぶに当たって、最も重要なのが素材です。
屋外フィールドでバイオ弾指定がある場合、必ずバイオ弾を使用しなくてはなりません。
BB弾の素材も多種多様で、各メーカーごとにノウハウがあるようです。代表的な物ですと

・硫酸バリウム
比重が高く、科学的に非常に安定していて水にも溶けないという性質から、長いことBB弾の素材として用いられてきました。
環境に対して特に害は無いようですが、その非常に安定した性質から分解されにくく
風化には長い年月がかかるようです。

・石粉
セミバイオ弾の素材表記で偶に記載されていますが、具体的にはどの石の粉なのかは不明です。
単体では用いられず、「つなぎ」の樹脂と併用して用いられることが殆どのようです。

・PLA(ポリ乳酸)
生分解素材でもある、PLAを主成分として用いているBB弾です。
PLAは水分によって分解されやすい状態(低分子化)され、微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解されます。
比重も比較的重めで硬質にもでき、バイオ弾にはうってつけの素材と言えますが、やや高価です。
硬質で弾上がりが良いのが特徴です。

・PP(ポリプロピレン) PE(ポリエチレン)
両方とも射出成型では代表的な樹脂で、コストが安く成形性に優れると言う特徴があります。
主に生分解性を持たせる添加剤を加え、低価格バイオ弾の素材として用いられますが
BB弾の摩擦抵抗が高く、弾上がりや弾道に難のある物が多いです。

・ユリア樹脂
熱をかけると硬化する熱硬化性樹脂で、硬く成型時の寸法変化が小さいのが特徴。

2.研磨、表面処理
射出成型で製造されるBB弾は、そのままではバリ(金型の合わせ目からはみ出した樹脂部分)やパーティング(金型の合わせ目)、
ゲート跡(樹脂注入口部分)が残っており、使用できません。射出成型後、何らかの方法で研磨をかけられます。

マルシン MAXIBB弾やSUS精密弾シリーズが出た頃から研磨技術が大幅に向上し、
コストパフォーマンスが求められる軽量弾でも、精密重量弾並みの外径精度の物が数多く登場しています。
BB弾に「ベアリングと同じ製造工程」と記載されている物は、この研磨工程を指します。

また、BB弾にとっては弾の表面処理も重要で、つるつるの鏡面に研磨されていると
ホップのかかりは弱くなる傾向にあり、ややザラザラめに研磨されているとその逆となります。
ザラザラに研磨されていると、ゴルフボールのディンプル加工と同じで飛距離が伸びると噂になりましたが、
BB弾の表面処理程度のザラザラでは効果が無く、実際に発売されたディンプル弾も効果がありませんでした。

3.ワックス 潤滑剤
BB弾の種類によっては、表面に潤滑剤やワックスがかけられている物があり、
弾上がり性能向上を狙った物があります。これらはバレル内にこびりつく事があり、弾道に悪影響を及ぼす事があります。
最近は素材の段階で硬質かつツルツルな物が多く、あまり見かけなくなりました。

4.直径、外径精度
直径はその名の通りBB弾の直径で、外径精度は寸法がどれだけ整っているかと言う指標です。
マイクロメーターなどの精密測定機器で測るのが一般的ですが、
通常のマイクロメーターの測定力ではBB弾を押し潰してしまう可能性があります。
穴あきゲージで直径を測る場合は、穴の公差を加味しないといけません。
直径は5.95mm前後が多く、小さい物では5.8mm台の物もあります。直径が小さいとバレルとのクリアランスが大きくなり
エアロスが発生、初速が低くなる傾向にあります。
なので、直径の小さいBB弾でギリギリのパワーにセッティングすると、直径の大きいBB弾を使用した時にレギュレーションを
オーバーしてしまう可能性があります。

また、弾上がりに関しても重要なファクターなので、自分の銃に合った物をチョイスする必要があります。

5.内部の樹脂密度と重心
BB弾がプラスチックの射出成型や焼成品である以上、内部には素材の密度の濃いところと薄いところがあります。
理想は外径精度が高く、内部の密度が均一な事で、そうすると自然と重心は中央に位置し、
ホップアップで高速回転をかけても回転軸がぶれる事はなくなります。

しかし、実際は密度にばらつきがあり、外径精度が良好で気泡が入っていなくても
偏心スピンがかかり、弾道が左右にぶれることがあります。
この樹脂密度、重心のずれは概観からは判別することが出来ず、特殊な選別方法が必要となります。