マルゼン APS SR-2

マルゼンがリリースした精密射撃用エントリーモデル的な位置合いの一丁で、
APS-2の後継機種(廉価版)に当たります。

APS-2に比べ、プラスチック部品を多用して軽量小型に設計してあり、
総重量1900gと、腕力の少ない人でも使いやすいようになっています。
レシーバーはインナーフレームとアウターフレームの二重構造になっており、
同社のCA0870の構造を受け継いでいると思われます。

エジェクションポートがぽつんと開いていますが、
競技専用の架空銃として出すならば、無くても良かった気がします。

セイフティはボルトハンドル後方にあり、銃口側に押し込んでONになります。
トリガー付け根にはクロスボルト式セイフティをつけられそうな部分があります。
ハンドガードは中身がぎっしり詰まった肉厚のプラ製で、
フレームと接木細工の様にしっかり噛み合って固定されているため、剛性があります。
アウターバレルはフリーフローティングではなく、
ハンドガード前方のバレルホルダーにて、Oリングを介して保持されています。
ストックはM4タイプのスライドストックで、6ポジションタイプです。
ストックパイプがプラ製で、ネジ1本でフレームに固定されているため、
横から大きな力をかけた時、折れないか心配です。
グリップはM16タイプでフィンガーチャンネル付き。
電動ガンに比べて薄型なので持ちやすいですが、
基部の形状が違う為、電動ガン用のグリップを取り付けるためには
フリーダムアート製のグリップアダプターが必要になります。
マガジンは新規設計の物で、装弾数は30発です。
APS-2、Type96ではマガジンの前側1箇所の爪で保持し、
前後にガタガタする仕様でしたが(Type96はそれにより給弾不良を起こす)
SR-2では、マガジンサイド左右2箇所の爪で固定するタイプになり、
がたつきとそれによる給弾不良が解消されました。

予備マガジンも1個\1050と安価です。
ボルトハンドルは垂直に折れ曲がったタイプで、横に出っ張らないので
ガンケースに収納するときに邪魔になりません。

閉鎖角は33°と小さく、操作性が良いのが特徴です。
左利きに対応したハンドルが同梱されてくるのも嬉しい所です。

このSR-2、ボルトを閉鎖した時のロッキングクリアランスが秀逸で、
ボルトが前後にガタガタすることなく、しっかりロックされます。
この時のガタはダイレクトに命中精度に影響を及ぼすので、
重要なポイントの一つとなります。
シリンダーストロークは約85mmと、APS-2に比べると短くなっています。
シリンダーはエンドボスの形状が違う為、APS-2の物は使用できません。
ハンドガード前方には、バイポッドアダプターが備え付けられています。
肉厚のハンドガードに裏側からナットで止められている為、
取り付け剛性は高いです。
同社のボールジョイントバイポッドがワンタッチで取り付けできます。
一応ヴェルサバイポッドも取り付けできますが、
アダプターの径が細く、基部がぐらつきます。

ハリスタイプのバイポッドを取り付けるには、
アダプターを加工して取り付けなくてはなりません。
マウントベースは樹脂製で、マルゼン恒例の傾斜付きです。
固定はレシーバーにインサートされた真鍮ナットにネジ止めなので、
意外と強固に固定されています。
強度が不安な方は、社外品に交換することをお勧めします。

この傾斜付きマウントベース、一般には嫌われる傾向にありますが、
落差が激しく、スコープのエレベーション調整範囲で対処しにくいノンホップ弾道、
または弱ホップにて遠距離を狙う場合、必須のアイテムとなります。
ハンドガード前方には、バレルホルダーが付いています。
内部にOリングが入っていて、それを介してバレルを保持しています。

バレルはレシーバーとこのバレルホルダーで保持されている為、
取り付け剛性が非常に高くなっています。
トリガーはAPS-2の物をコンパクトにしたような感じの物です。
シアはマルゼンお得意の前倒れ式で、2ステージのトリガーになっています。

プルは測っていないので重さは不明です。
少し引きしろが大きいですが、切れもなかなかのレベルです。
バレルはレシーバーに圧入されていて、抜くのが非常に困難です。
圧入した上で、左右からすり割り構造で挟みこんでいるので
APS-2のねじ込み式より取り付け剛性は上です。

このすり割り部分は、ハンドガードと噛み合うベディングブロック的な
役割も兼ねています。
レシーバーはグラスファイバー混入ABS製ですが、
肉厚がシリンダー周りで約5mmもあり、軋みはまったくありません。

バレルとレシーバー、レシーバーとハンドガード、ハンドガードとバレル、と
お互いがしっかり固定されることにより、プラを多用しているとは思えない
剛性を発揮しています。
ストックの取り付けにはやや不安を感じますが、
機関部の剛性はライバル機種であろう東京マルイ VSRを凌いでいると感じました。
シリンダーヘッドはアルミ製です。
コスト削減の為、鋳物になったようです。

シリンダーヘッドはシリンダーにねじ込んだ後にカシメにて分解防止措置が施されていて
そのまま強引に分解しようとすると、双方のねじ山が大変な事になります。

初速も十二分で、ノズル長もぴったり出ているので、
ノーマルのまま使うには分解は必要ありません。
写真を撮り忘れたのですが、チャンバーはType96に酷似しており、
アウターバレルはハンドガードにもホップ調整を前提とした穴が開いています。
バリエーションでホップ付きのAPS SR-2 LRVがリリースされたので、
ノンホップとホップが選べるようになっています。

SR-2は、APS-1より継承され続けたダブルパッキン方式のノンホップを採用しています。
後ろのパッキンでノズルとの気密を、前方のパッキンで弾を極々弱く保持しています。

バレルはねじ込みによってチャンバーに固定されます。

バレルはアウターバレル根元のネジ止めとバレルスペーサー、マズルキャップの3点で
保持されていますが、バレルスペーサーは微妙にガタガタなので
実質根元と先端の2点保持となります。

これも写真を撮るのを忘れたのですが、マズルキャップはABS製で
アウターバレルに「圧入」されています。
これが曲者で、バレルを抜き取るにはトリガーを外し、シリンダーがフリーになった状態で
ボルトハンドルを外したシリンダーを入れ、少しずつプラハンマーで叩いて
バレルでマズルキャップを押し出して取るという
非常に精神衛生上キツイ作業をしなくてはなりません。
これはぜひ改善してもらいたいポイントです。
10m バイポッドレスト、5発×3回のグルーピングです。
使用弾は蔵前工房特製0.28gです。

1回目:25mm
2回目:21mm
3回目:紙が破けて測定不能(20〜30mm)

となりました。ノーブランドのLEUPOLD Mark4 M1タイプスコープを載せて撃ちました。

グルーピングは良好で、箱出しで本来の用途であるAPSカップに
十分通用するだけのグルーピングがあります。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
91.3 91.0 90.3 91.1 90.2 91.6 91.6 91.9 91.9 92.7
平均値 最高値 最低値 高低差
91.4 92.7 90.2 2.5
使用弾速計:Combro cb-625
使用弾:マルイ0.2g

初速は十二分に出ており、これといってシリンダー周りに
手をつける必要は感じませんでした。

エントリーモデルとしては十二分なスペックを持ち、
発展性もある事から、これから伸びてくる機種だと思います。
ホップ付きのLRVもリリースされたことにより、VSRの良いライバルとなりそうです。
価格:\20790(税込) 全長:976〜1073mm
重量:1900g バレル長:????
装弾数:30発 発射方式:ボルトアクション エアコッキング
ホップタイプ:ノンホップ 外部:幅21.13mm、溝幅5.55mmレール。ベース全長は約165mm
サイト:無し