東京マルイ M870 TACTICAL

2013年5月の静岡ホビーショーでいきなり発表され、
ユーザーの度肝を抜いた
東京マルイの新ジャンル「ガスショットガンシリーズ」の
第一弾になります。

モデルは言わずと知れたRemington M870になります。
パッケージの中身になります。

・M870 TACTICAL本体
・ガスタンク
・ショットシェル型マガジン
・ローダー一式
・取扱説明書
・BB弾
・ターゲットペーパー類

になります。
マズルキャップが入っているはずなのですが、
私が購入した個体には、なぜか付属しませんでした。
ゲスト出演 K.T.W. ITHACA M37フェザーライトとの比較です。

細身なので、それほど大きく見えませんが
全長は954mmと、フルサイズのアサルトライフル並にあります。

それでは、各部を見ていきたいと思います。
レシーバー左側面になります。

エアショットガンシリーズと異なり、
M870 TACTICALはレシーバーが亜鉛合金製となっています。
シンプルな“MODEL 870 TACTICAL”と
シリアルナンバーらしき刻印が入っています。

前後のトリガーピンは、トリガーASSYをレシーバーに固定する
実銃通りの役割を果たしており、
ここを利用した大型マウントベースが販売されそうな気がします。
右側面の写真です。

レシーバーは亜鉛の黒染めのようで、
表面は細目のブラストをかけたような感じです。
右側面に、ASGKとメーカー、製造国刻印が入ります。
ショットガンらしい迫力のマズルです。
内径は約20.1mmあります。
マガジンキャップには汎用スイベルスタッドがあり、
スリングアタッチメントを取り付けることができます。

アタッチメントが無い場合、パラコードなどを
通してループを作っても良いと思います。
マガジンキャップはねじ込みで、
外すと予備シェルを2個入れておけます。

中にはスプリングが入っており、
カタカタ音が鳴るので、気になる人は詰め物をすると良いでしょう。
フォアエンドは大きな滑り止めと
手になじむ窪みのあるデザインとなっており
手が小さい人でも、しっかり握ることができます。
アウターバレル右側面には
再びメーカーと製造国刻印が、、、
トリガーガード左側面にあるのは
本来アクションバーロックと言い、
弾丸を装填してロックしてしまったレバーを解除するのに用いますが
東京マルイのM870 TACTICALでは、
マガジンリリースレバーに機能が置き換わっています。

ここを手前に引くことで、マガジン装填口のカバーが開き
マガジンが入っていると、外へ押し出します。

ちなみに、実銃では装填後の脱包(アンロード)が楽と言うことで
人気の機構でもあります。

同社Benelliシリーズで慣れた人にとっては、
リリースレバーが左右逆となり
トリガーフィンガーで操作できなくなってしまうので
操作に慣れるまで手間取る可能性が高いです。
マガジンはこんな感じで入れます。
セーフティはトリガーの後ろにあるボタンで操作します。
クロスボルト方式と言い、押し込むことでトリガーの動きを
物理的に妨げるシンプルな方式です。

写真の状態でセーフティONとなります。

このセーフティは、ハンティングスタイルのストックならば
そのままトリガーフィンガーと親指が自然な位置に来るので
とても操作しやすいのですが、
ピストルグリップになった途端に操作しづらくなってしまうと言う
欠点もあったりします。
ストックは一般的なハンティングスタイルの物になっています。

長すぎず、LOP(Length Of Pull)も
ちょうど良いサイズになっています。
バットプレート左右側面には、ロック解除ボタンが隠れています。

ここを同時に押すとロックが解除され、外れます。
ここに大型ガスタンクが入ります。
これがガスタンクです。
カートリッジ式を採用しており、
予備と交換することで発射弾数を増やすと共に
冷えてしまった場合にも、即交換できるメリットがあります。

ゲームはもとより、マッチでも嬉しい機能です。
タンク前方に、ワンタッチ式のガス放出口と
注入バルブがあります。
空の状態での重さは約486gあります。
ガス(HFC152a)を満タンに入れると、約519gとなり
33gも入る計算になります。
マガジンは左右のリブを定位置に合わせ、
奥まで押し込むとロックがかかります。

人差し指の位置にリリースボタンがあり、
ここを押すとマガジンが外れます。

ガスが残っていると、ブシュッと言う音と共に外れるので
驚かないように、、、
レシーバー上部には、TACTICALの名が示すとおり
レールが備わっています。

レールにビルトインでリアサイトがついている都合から、
レール中央が湾曲している形状になっています。

4カ所ある固定ネジのうち、一番銃口側はダミーです。
採寸したレールの寸法です。ほぼピカティニー規格に準じています。
リアサイトはゴーストリングサイトで、レールと一体になっています。

サイト自体を回すことで上下の調整を、
右側面のネジを回すことで左右の調整が可能です。
フロントサイトはドブテール(あり溝)方式で、
左右に調整が可能です。

ホワイトは塗装では無く、白いプラパーツをインサートしています。
サイトピクチャーです。

しっかりしたオープンサイトで、視認性が良く
スピードサイティングにもってこいの形状をしています。
コッキングはフルストロークではなく、
約70mmの移動量で、写真の位置で止まります。

最後まで引くとダミーボルトが後退し、
発射弾数切り替え機構にアクセスできます。

東京マルイのショットガンシリーズと言えば、
コッキングしきれずに戻した場合、多重給弾を起こして
シリンダーノズルを潰してしまうトラブルが良く起こりますが
このM870は、内部に段階式のラッチが設けられていて
給弾機構が動く所まで引くと、ラッチがかかり
最後まで引かない限り、フォアエンドを前に戻せなくなっています。

これは非常に優れたアイディアだと思います。
これが発射弾数切り替え機構です。

M870 TACTICALの売りの一つが
3発-6発の発射弾数切り替え機構です。

ここを、任意の弾数の方向にスライドさせるだけで
発射弾数を切り替えられます。

ただし、コッキング中に切り替えると給弾不良を起こすので
必ずフォアエンドが前進しきった状態で
切り替えましょう。
シェルは右側のホワイトバージョンが付属します。
従来の赤いシェルも完全互換で使用でき、
さらにカラーバリエーションを展開するようです。
数多く撃ちたい場合、多数のシェルを携行しなくてはなりませんが、
東京マルイのショットシェルマガジンは安全上の都合から
実銃の12ゲージショットシェルより大きく作られていて、
シェルキャリアが使用できません。

その場合、エアソフトガン(東京マルイのショットシェルマガジン)用に
対応したシェルキャリアが必要となります。

写真のシェルキャリアは、当HPのガンスミスライブラリでおなじみの
フリップ好きさんが製作しているシェルキャリアで、
6発まで携行可能なタイプになります。

お問い合わせはフリップ好きさんまで
http://satomaru49.militaryblog.jp/
それでは、内部を見ていきたいと思います。

このガスショットガンシリーズは、特許技術の塊となっていて
今までに類を見ないような機構がふんだんに使用されています。

写真は、そんな特許の中の一つ
ダブルホップアップシステムです。

パッキンの前後に2個配置された
大きさの違う突起により、3発-6発に弾数を切り替えても
均等にホップがかかるという機構です。

なにげにFLAT-HOPになっています。
このようにBB弾が並びます。

3発と6発で、同じ弾道か、、、と言われるとそうでも無く、
3発では伸びる弾道ですが、6発になると
弱ホップ弾道となり、少し射程は落ちてしまいます。

しかし、あちこちに散らかる弾道では無く
きれいにまとまって飛んでいくので
サイティング通りの場所に当てることができます。
続いて、レシーバー内部の機構を見てきます。

写真は3発-6発の切り替え機構になります。
レバーを6発方向へ切り替える事で、
赤丸部分のカムが下がります。
コッキングすると、レバーの突起がカムに当たって
1回目のノズル後退、給弾を行います。
ノズルが目一杯後退した状態でさらにコッキングすると
カムが上に逃げてロックが外れ、ノズルが前進して
チャンバーへBB弾を装填します。
最後までコッキングすると、
本体左側のレバー(写真では反対側のレバー)が
ノズルを押し下げ、2回目のコッキングを開始します。

これで、フォアエンドを前に戻すと、
もう一回BB弾をチャンバーに押し込み、
合計2回コッキングされることになります。
続いて、ガスルート周りになります。

真鍮パイプ部分が、巨大な気化室になっています。
ノズルは気化室とパイプで繋がっており、
スプリングのテンションで常に銃口側へ押されています。
バルブノッカーはストライカー式で、
大型の亜鉛パーツとなっています。

その裏側に、ガスルートのチューブが見えます。
ガスルート周りを取り外した写真です。
ノズル部分を開けると、負圧バルブを利用した
ガスコントロールシステムが入っています。
これもマルイが特許を取っています。

3本それぞれにガスコントロールが入っていて、
3発/6発で初速変化がほぼ無いのは
この機構によってガスの流量を調整しているからです。

また、ガス圧が高くなった場合は
すぐルートを閉鎖し、過剰なパワーが出るのを防ぐ効果があります。
大型気化室の中には、超大型バルブが入っています。

フタの固定機構は、同社ガスブローバックでおなじみの
長いネジを使った締め付け構造です。

シンプルでガス漏れが少なく、
したとしても簡単に直る、優れた構造です。

ちなみに、ストック内のガスルートに
生ガス流入を防ぐと思われる機構が見え、
そのおかげでこのM870 TACTICALは
あらゆる方向を向けて発射しても
生ガスを吹くことがありません。
シェルを保持する部分ですが、
ショットシェル型マガジンを上から押し出すカムがついています。

これで、フタを開けると同時にシェルがきれいに落ちてきます。
一回のコッキングで、確実に3発給弾する特殊な機構です。
(これも東京マルイの特許です)

エアショットガンと比べ、ブレットストッパーの役割を果たす
パーツが追加されています。
G&G 0.2gバイオ弾
発射弾数 1 2 3 4 5 最大値 最小値  高低差 平均 J値
3発 86.50 86.08 85.82 84.71 83.93 86.50 83.93 2.57 85.41 0.73
6発 84.46 87.87 86.84 86.36 85.49 87.87 84.46 3.41 86.20 0.74
使用弾速計 : XCORTECH X3200
計測時室温 : 26℃
使用ガス : HFC152a

3発発射、6発発射それぞれの初速です。
6発発射の方がごくわずかに高いと言う結果になりました。

使用ガスがHFC152aなので、メーカー指定ガス(HFC134a)を使用した場合、
もう少し初速が高くなる可能性があります。

初速は必要十分な値で、それこそフルサイズ電動ガン並です。
続いて、ワンチャージでの総発射弾数を調べると共に
連続発射時のマガジンの冷えと初速の関係を見ていきたいと思います。

計測は、満タンまでガスをチャージしたマガジンを装填し、
3発/6発でそれぞれ1シェル(装弾数30発)ずつ発射して
5秒に1回の割合で発射、1マガジン全弾発射します。

最終弾の初速と、その時のマガジン温度を測定します。

温度測定は放射温度計(CUSTOM IR-303)で行いました。
下のグラフが結果となります。
シェル数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 総発射弾数
6発時 マガジン温度(℃) 23.6 21.4 19.8 17.4 16.1 14.6 13.9 13.4 13.6 12.6 11.9 11.3 11.1 10.9 10.6 9.9 9.7 9.1 8.7 8.7 8.2 7.6 6 6.8 24シェル 120回(720発)
初速(m/s) 84.82 82.54 80.69 76.79 73.21 71.9 71.51 70.26 69.98 63.73 67.27 64.21 62.8 63.29 62.59 61.44 60.98 60.35 59.59 60.25 60.35 59.36 53.02 26.53
3発時 マガジン温度(℃) 24.3 22.1 20.1 18.3 16.4 14.8 13.3 11.6 10.1 9.2 9.1 7.5 6.9 5.4 5.1 4.3 3.4 3.5 18シェル 180回(540発)
初速(m/s) 81.25 78.08 74.25 68.14 65.04 65.19 59.3 55.75 53.38 51.65 49.91 52.24 46.64 42.9 37.84 39.32 29.29 17.85
メーカー公称値で、約100ショットとの事でしたが、連続発射にもかかわらず、それをかなり上回る数を撃つことができました。
しかしながら、4シェル目辺りからの初速低下が激しく、安定した初速を維持する為にはある程度のインターバルが必要と言えます。

前述したガスコントロールシステムで、3発-6発切り替え時の初速変化を無くしていますが、
6発発射の方が消費ガスが多く、総発射回数では大きな差が生じました。
しかしながら、それでもメーカー公称値の100ショットより多く撃てており、
さらにHFC152aを使用したことを考えると、燃費は相当良い部類に入ると言えます。

初速の安定度からすると、エアショットガンシリーズにはさすがに敵いませんが
軽いコッキングと6発同時発射のおかげで、瞬間的な火力は相当な物となります。

弾道、命中精度につきましてはロングレンジで別途検証したいと思います。
続きは近日中、追加レポートという形で動画と共にアップしたいと思います。
2013.8.12
実射シーン含む動作の動画をアップしました。

3発モードでは浮き上がる強めのホップ、
6発モードでは若干落ち気味のホップとなり
射程距離が変わってきます。

気温の条件にもよりますが、両方とも30mは確実に射程圏内、
40m以上も狙い方によって十分届く範囲となります。

散弾パターンは左右にあまり散らず、上下に散る感じです。
ここまで起こった不具合などのまとめになります。

気温が高くなったとき、本体内部からガスが漏れる音が聞こえます。
M870のメインバルブは、圧が高くなると自動で解放、圧力を逃がす
リリースバルブ(安全弁)を兼ねています。

ガス漏れ音が聞こえた場合、圧力が高くなりすぎているので
ガスタンクを外し、少し冷やして使ってください。
こちらはホップパッキンの不具合です。
なぜが下側2つのホップパッキンがノズル側に突き出してきます。

パッキンは、しっかりストップする段差などがなく
簡単に動いてしまうので、ノズルか何かに引っ張られて
動いてしまったのでは無いかと思われます。

弾道が変わるのに加え、弾がうまく装填されず
閉鎖不良を招くことがあります。

私はバレルにパッキンを接着して、動かないようにしました。
上記パッキンの不具合とは別に、
ノズルが前進しきれずに給弾不良を起こす事があります。
ノズル周りのオイルが切れてスムーズに動かなくなると発生するようです。

閉鎖不良を起こしたとき、力任せにフォアエンドを前に押し込むと
ノズルを破損させてしまうので、まずマガジンを外し
フォアエンドを動かしながら給弾ルート内のBB弾を取り除きます。

どうしても解決しない場合は、無理に分解せず
メーカーサポートに相談してください。

分解してしまうと、サポートが受けられなくなる可能性があります。
価格:\36540(税込) 全長:954mm
重量:2680g(マガジン込み) 装弾数:30発(10ショットまたは5ショット)
作動方式:固定ガス ポンプアクション インナーバレル長:260mm
ホップ:固定ホップ 外部:汎用レール・汎用スイベルスタッド
サイト:ゴーストリングサイト(フロントは左右、リアは上下左右調整可能)