マルイから、電動ガンのマズルにつけるだけで初速を約40%カットできるという
減速アダプタが発売されました。
果たしてインドア戦の救世主となるのか?徹底検証してみようと思います。
減速アダプタのパーツ構成です。
上の左からマズルカバー、本体、金属リング、減速ゴム、取り付け基部です。
下のリングは左から順番に減速率が高くなります。

気になる動作原理なのですが、この減速アダプタを取り付けると、ちょうど銃口が減速ゴムで
塞がれる形になります。この減速ゴムは、中心が十字に切られていて、弾が通過できるように
なっています。

弾が発射され前進していきますが、銃口は減速ゴムで塞がれています。
よって、バレル内、BB弾前方の圧力が上がり、BB弾を押し戻そうとする力が働きます。
これが、主なブレーキの力になります。
そして、圧力が一定に達すると減速ゴムの十字スリットが開き、弾はゴムに少しかするだけで
普通に飛んでいきます。これが、命中精度が変化し難い秘密です。

リングを換える事により、最初のスリットの開き具合を変える事ができます。
この結果、ブレーキの度合いが変わってきます。
マズルカバーを外すと逆14mmP1ネジが切ってあります。
減速アダプタを装備し、さらにサイレンサーーやフラッシュハイダーを
装着できるようになっています。

写真ではM4A1のフラッシュハイダーを装着してみました。
M4A1のマズルに装着してみたところです。

今回実験に用いたのは、電動M4A1とM16A2、互いにノーマルです。
計測器:クロノスコープ
使用BB弾:EXCEL0.2g
減速率:ノーマルの平均に対する各リングの平均
まず、M4A1の結果です。

状態 ノーマル 黄リング 赤リング 青リング 白リング
1 89.1 80.3 68.9 53.5 44.8
2 85.9 81.4 68.9 55.1 48.4
3 87.7 81.6 67.4 55.4 49.4
4 88.6 82.3 67.5 55.9 50.3
5 89.9 83.1 68.8 55.4 49.8
6 89.4 83.1 69.1 54.8 50.0
7 87.9 82.2 70.2 54.8 51.2
8 88.5 82.5 67.6 55.9 48.8
9 88.0 81.5 69.1 52.1 51.2
10 89.0 81.9 68.3 55.1 51.3
平均 88.4 81.2 68.6 54.8 49.5
減速率 - 8.1% 22.4% 38.0% 44.0%

次に、M16A2の結果です。

状態 ノーマル 黄リング 赤リング 青リング 白リング
1 82.9 78.9 63.5 46.2 39.2
2 83.3 80.6 64.3 44.4 39.0
3 83.7 78.2 65.1 44.7 42.1
4 82.6 81.0 63.1 46.0 41.6
5 83.8 81.6 65.8 45.9 43.8
6 82.3 78.4 66.3 47.5 39.5
7 84.9 80.7 66.0 46.9 40.7
8 82.7 78.5 64.0 45.2 40.3
9 85.8 80.3 64.1 45.4 40.5
10 85.4 79.6 65.9 45.8 42.2
平均 83.7 79.8 64.8 45.8 40.9
減速率 - 4.7% 22.6% 45.3% 51.1%

これらのデータを比較すると、M4よりA2の方が減速率は高い数値を示しています。
これは、A2の方がバレルが長いため、ブレーキがかかる距離が長くなったのでは?と考えました。
ただ、M4等の加速スリット機種はバレル内を猛スピードでBB弾が駆け抜けるため、高圧で大きくブレーキがかかるかもしれません。

いずれにせよ、減速アダプタは幅広い初速調整が可能なことを示してくれました。
ガスブローバックハンドガン以下の初速にすることも可能なので、安心して至近距離で撃ち合うことができるでしょう。

今度は、減速した事による命中精度の変化を調べてみたいと思います。