○電動ガンバレル、シリンダの組み合わせによる初速実験

電動ガンにはさまざまな長さのバレル、シリンダがあります。
これらのバランスの取れた組み合わせとはいったいなんなのか?
今回の実験では、それを調査してみたいと思います。

計測条件
使用シリンダは、電動ガン用ノーマルシリンダ
内径Φ23.8、全長72.2mmで
○M16用(スリット無し、有効容量26990mm
○M4用(スリット後方、有効容量17097mm
○クルツ用(スリット中央、有効容量11672mm
です。

バレルは、SG550用のを用い、20mmずつ切って初速を
測定します。(電動ガンに使われているサイズがあった場合、そのサイズに切る)
バレルは切断後、面取りをして一回一回クリーニングします。

メカボックス内部はすべてノーマル状態で、シリンダグリスは
マルイのシリコングリスを使用。バレルはマルイ純正(内径6.05mm)

BB弾は、東京マルイ0.2gを使用。ホップは最小状態です。

弾速はクロノスコープを用い、室内で計測。20発計測し、その最高値を
適用する。

実験結果
M16用シリンダ

バレル長(mm) 535 514 509 494 488 472 455 435 415 395 375 363 343 323 285 260 247 229 209 189 169 141
初速(m/s) 86.9 80.8 81.8 89.2 91.0 90.1 83.3 90.2 82.5 82.1 88.4 87.2 84.1 80.3 77.2 83.5 80.1 81.9 76.5 73.0 71.2 69.8

M4用シリンダ

バレル長(mm) 535 514 509 494 488 472 455 435 415 395 375 363 343 323 285 260 247 229 209 189 169 141
初速(m/s) 87.5 85.0 84.7 85.2 91.4 91.0 85.3 88.1 88.3 91.7 88.3 92.4 90.1 87.1 84.6 84.4 84.7 86.2 88.4 85.8 83.7 74.3

クルツ用シリンダ(PDW用として使用)

バレル長(mm) 535 514 509 494 488 472 455 435 415 395 375 363 343 323 285 260 247 229 209 189 169 141
初速(m/s) 65.5 69.4 64.2 63.3 64.5 68.0 65.5 87.0 88.9 87.3 86.8 91.1 88.8 88.9 89.7 80.3 82.1 90.4 90.2 88.6 89.1 86.3


(青がM16用シリンダ、赤がM4用シリンダ、黄がクルツ用シリンダです。)

考察
なんとも、奇妙なグラフになりました。M4シリンダでも500mmを超えるロングバレルで初速を出すことはできましたが、
計測時の初速のばらつきはかなりの物でした(データ量が膨大なので、掲載は見送らせていただきます)。
これは、M4だけではなく、すべてのシリンダに言えました。
どうも、バレル内容量に対するシリンダ容量が少ないと、初速にばらつきが生じるようです。
初速が安定してきたのは、M16であれば534mmのバレルから、M4は488mmから、クルツは363mmあたりからでした。

また、計測した中には90m/sを超す高初速を記録した物もありました。
その組み合わせは
M16+488mm、M16+472mm、M16+435mm、
M4+488mm、M4+472mm、M4+395mm、M4+363mm、M4+343mm、
クルツ+363mm、クルツ+229mm、クルツ+209mm
でした。しかも、この組み合わせで、クルツ以外、発射音が低くなると言った現象が起きています。
これは弾が発射される時、バレル内の圧が高くなった結果ピストン前進にブレーキがかかったと私は考えています。
クルツでこの現象が起きなかったのは、他のシリンダと比べてピストン前進速度が速くなってしまうからだと思います。

初速が高くなった時のシリンダ容量:バレル容量を調べてみました。方法は
シリンダ容量:高初速を出したバレル長の平均値×3.025×π
です。

M16用シリンダでは、、、
26990:{(488+472+435)÷3}×3.025×π=2.02:1

M4用シリンダでは、、、
17097:{(488+472+395+363+343)÷5}×3.025×π=1.44:1

クルツ用シリンダでは、、、
11672:{(363+229+209)÷3}×3.025×π=1.52:1

という結果になりました。M16用では約2:1、他のシリンダでは約1.5:1となりました。
M16シリンダだけ容量比が大きくなったのは、他のシリンダと比べて前進速度が稼げない分、大量のエアを使い
ゆっくり加速させていくということなのでしょう。

実験結果から見たベストセッティング
T.500mm以上のバレルにはM16用シリンダを使い、容量比を2:1に近づける
U.500mm未満250mm以上にはM4用シリンダを使い、容量比を1.5:1に近づける
V.250mm未満のバレルにはクルツ用シリンダを使い、容量比を1.5:1に近づける

しかし、これはあくまで初速の観点から見た結果です。命中精度の観点からみると、また別の結果になるはずです。