LiFePO4バッテリー導入試験

今、ラジコンで注目を集めている
リチウムフェライトバッテリー(LiFePO4 LiFe)を電動ガンに導入しようと
購入、試験を行ってみました。

Li-FeバッテリーはLi-Poバッテリー(リチウムポリマーバッテリー)や
Li-Mn(リチウムマンガンバッテリー)と同じ
高エネルギー密度バッテリーで、1セル辺り3.3Vと高い電圧を持ち、
容量も同じ太さのNi-Cd相当あります。

Li-Poバッテリーが登場して、電動ガンにも採用しているケースが
見られましたが、私は安全性の面で採用を見送ってきました。
そこに、安全性の高いLi-Feバッテリーが登場したので、
今回購入、テストを行ってみました。
今回購入したのは、ATLASのLi-Fe 6.6V 1600mAhです。
価格は約\3500程度で、広く流通しています。

サイズは72×46.5×24mmで、重量は138gです。
Eagle Force Ni-Cd 8.4V 1600mAhの半分位の大きさです。

Li-Feの特徴としては

・1セル辺りの電圧が3.3V
・容量が大きい
・メモリー効果が極小で無視して良いレベルである
・放電不要。追充電OK
・優れた充放電特性(8Aで充電すれば、約12分で満充電)
・本体内に安全対策を施してあり、、過充放電に強い
・自己放電が3年で3%未満と、管理が非常に楽

と言う感じです。私みたいなずぼら人間には、
うってつけのバッテリーです(笑)
横にちょこんと飛び出しているのは、バランサー用のコネクターです。
Li-FeやLi-Poは「バランス充電」と呼ばれる
各セル間の電圧を一定に保ち、充電する方式を取っています。
これを行わないと、セル間の電圧バランスが崩れ
充電器のオートカット機能が誤作動を起こし、
過充電→セル劣化もしくは死亡、と言った事態に陥るそうです。

Li-Fe対応の充電器なら、大抵はバランサー機能が付いています。
付いていない充電器でも、別売りの単体バランサーがあるので
そちらを使用すればOKです。

このバッテリーの場合、5〜7回の充電に1回、
バランスを取ってやる程度で良いそうです。
後ろには注意書きが貼ってあります。
今回テストに使用したバッテリーは、上から

・Eagle Force Ni-Cd 8.4V 1600mAh
・エチゴヤオリジナル Ni-MH 8.4V 1100mAh
・ATLAS Li-Fe 6.6V 1600mAh

となります。Li-Feは電圧が明らかに低いので、
サイクルが落ちるのは当初から予想していましたが、
果たしてどの程度なのか、、、
使用したのは、東京マルイの電動89式と電動MP7です。
両方ともノーマル(MP7はバレルのみ交換)です。

MP7には、外部バッテリーが使えるように変換コネクタをつけています。
計測時の室温は23.3℃です。

測定は、満充電のバッテリーをそれぞれ接続し、
PCの波形計測ソフト(SoundEngine)で発射音の波形を読み取り、
サイクルを測定すると言うものです。
Li-Feの充電に使用したのは、
とりおん TB-0769 ATLANTIS 6.6V LiFePO4バッテリー用AC充電器です。
6.6V(2セル)のLi-Feに対応し、繋ぐだけでオートスタート&カットの
お手軽充電器です。

充電電流は1.5A固定で、バランサーが付いていません。
その代わり、\3000前後と非常に安価です。

今回は実験に3回程度充電するだけなので、バランサーは使用していません。
Ni-MHバッテリーの充電に使用したのは、
Eagle ModelのD1 Chargerで、充電電流は0.5Aにしています。

Ni-MHバッテリーは、計測の度にコスモエナジーの放電器で
放電→充電してあります。
これを実験回数行うだけで、まる1日かかりました(笑)
Ni-Cdバッテリーの充電には、
RC-FACTORYのSUPER COMPUTER 2を使用しています。
充電電流は2.2Aです。

この充電器は、繋いでスイッチを押すだけで
放電→急速充電を行ってくれるので、長い間愛用しています。
常温でのテストが終わったら、次は耐寒テストです。
Li-Feは寒さに強いと聞いていたので、このテストも行ってみました。
保冷箱の中に保冷剤を投入し、その中に満充電のバッテリーを入れて
30分放置し、冷やします。内部は-1.0℃でした。

その後、取り出してMP7に接続、サイクルを計測してみました。
実験結果

89式 常温23.3℃
ATLAS LiFePO4 6.6V 1600mAh 9.5発/s 570rpm
EAGLE FORCE 8.4V 1600mAh 15.0発/s 900rpm
エチゴヤ 8.4V 1100mAh 17.3発/s 1038rpm

MP7 常温23.3℃
ATLAS LiFePO4 6.6V 1600mAh 8.0発/s 480rpm
EAGLE FORCE 8.4V 1600mAh 15.5発/s 930rpm
エチゴヤ 8.4V 1100mAh 17.2発/s 1032rpm

MP7 冷却後-1.0℃
ATLAS LiFePO4 6.6V 1600mAh 5.0発/s 300rpm
EAGLE FORCE 8.4V 1600mAh 14.5発/s 870rpm
エチゴヤ 8.4V 1100mAh 14.2発/s 852rpm

ATLAS LiFePO4 6.6V とりおんLiFePO4 2セル用充電器 1.5A充電
EAGLE FORCE 8.4V 1600mAh RC-FACTORY SUPER COMPUTER2 2.2A充電
エチゴヤ 8.4V 1100mAh EAGLE MODEL D1 Charger 0.5A充電
6.6Vと言う低い電圧で、どれだけ回るか楽しみでしたが、
結果は予想通り、電圧通りのサイクルが出た感じになりました。
6.6Vでは、通常の2/3程のサイクルしか出ない為、少し物足りない感じがします。
この上の電圧となると、3セル9.9Vなので、少しハイサイクル対応を施した電動ガンなら
問題なく使用できるレベルだと思います。今度は、9.9Vをテストしてみたいと思います。

期待された耐寒性ですが、Ni-MH同様、目に見えてサイクルが落ちてしまいました。
残念ながら、雪国ゲーマーの心の友とはなれなかったようです(笑)

このLi-Feバッテリーですが、特筆すべきはその安全性です。
Li-Poバッテリーに比べれば、1セル辺りの電圧、容量共に劣りますが
安全性は比較にならないほど向上しています。

Li-Poバッテリーは、多数のサイト、動画で報告されているように、取り扱いを誤れば発火、爆発してしまい、
その破壊力は凄まじい物があります。
遠くを走らせたり飛ばしたりするラジコンならともかく、電動ガンは体に密着した状態で使用します。
場合によっては、顔とバッテリーの境目が厚さ数mmのプラ板のみと言う事もあります。
万が一、この状態でショート→爆発すれば大怪我、最悪失明も考えられます。
知識があれば、、、そんな初歩的なミスは、、、と言う意見も多数ありますが、
取り扱うのは人間であり、ヒューマンエラーは十分考えられます。
Li-Poの取り扱いに関しては、安全対策が何よりも最優先される事だと思います。

人によって、チューンに求める物は違うと思いますが、私は「安全性こそ最優先される物」と考えます。
Li-Feバッテリーは、今後の電動ガンにどのような方向性を示してくれるのか、楽しみです。


A123セル使用 9.9V Li-Feバッテリー実験アップしました