AW IMR18650 リチウムマンガンバッテリー

以前から噂に聞いていたリチウムマンガンバッテリー(以下、リマバッテリー)の
セルを入手したのでバッテリーを製作、テストしてみました。

リチウムマンガンバッテリーの正式名称はマンガン酸リチウムバッテリーと言い
正極にマンガン酸リチウム(LiMn2O4)を使用しており、
レアアースであるコバルトを使用しないと共に安全性、安定性も向上しています。
その代わり容量、出力的にはコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた
従来のリポには一歩及ばない、、、と言った感じの特性を持っています。

電圧はリポと同様の公称3.7Vとなっていて、充電上限電圧は4.20V、
放電下限電圧は2.50Vとなっています。その為、充電器やセイフティ関連は
従来のリポ用がそのまま使用できます。

リポと違い、ある程度放電した状態で放置すると劣化が進むと言う特性があるので
常に満充電状態で保管することとなります。
また、高温に弱いと言う弱点もある為、バッテリー製作時には
ワット数の高いはんだごて(80W以上)を用い短時間で仕上げる必要があります。
今回購入したのは、ライト用のリチウムイオン二次電池で有名な
AW社のIMR18650と言うセルです。カタログスペックは

定格電圧 : 3.7V
定格容量 : 1600mAh
放電下限電圧 : 2.50V
標準充電方式 : CC/CV(最大電流 4.5A)
サイクル寿命 : 500回以上
最大放電能力 : 10C(10 × 1600mA = 16A)
放電時温度 : -10℃〜60℃

となっています。放電能力は10C(16A)と、ノーマル電動ガンの消費電流で
ギリギリ大丈夫、、、と言った所です。重負荷のカスタムには
使用しないか、並列に組んで放電能力を上げる必要があります。

写真はA123S 18650セルとの比較です。
電極がやや小さいのがネックです。
長さを比較すると、IMR18650の方がほんの少しだけ小さいように見えますが
電極が出っ張っているので、実際は同じ長さとなります。
今回はセルとセルを直接はんだで接続する
イリーガル接続で2セル 7.4V 1600mAhのバッテリーを製作しました。
大きさは直径約20mm、長さ約140mmと言った所です。

メインワイヤは16GAシリコンコードと1.25sqの平編銅線を使用し
配線のでっぱりを抑えたフラット配線バッテリーです。
メインコネクタはディーンズタイプ、バランスコネクタはXHにしています。
リマバッテリーも他のリチウム系バッテリー同様、
バランス充電もしくはセルのバランス取りが必要となります。
充電途中のセル電圧です。
充電電流は4.5AまでOKとされていますが、
さすがにそれを試す勇気は無く(笑)、1Aにて充電しています。
↑が他の手持ちのバッテリーと比較してみた動画です。
リフェは電圧が高いので当然サイクルやレスポンスが高くなっていますが、注目すべきはニッケル水素との比較です。
リポの時も同じでしたが、高い放電特性を有することからニッケル水素のミニセルで組んだバッテリーよりも
サイクル、レスポンス共に高い値をマークしています。
カタログスペックでは10Cとなっていますが、体感では20C近くあるような感じがします。
(性能を保証する物ではありません。あくまで体感です)
これならば、ノーマル〜ライトチューンにおけるニッケル水素ミニバッテリーの互換品としても十分通用するだけのスペックがあります。

ただ、現状ではバラセルを購入して組み上げる必要があるので入手製が低すぎる、と言うのが一番のネックになる気がします(汗)
ちなみにこのセルはライト屋さんで取り扱っていることが多く、1本辺り\1200程で購入できます。