EOTech 551(旧EOTechモデル)

EOTechがL3の傘下に入る前のモデルで、
ロゴマークがL3では無く虹(ホログラフィック干渉縞?)の頃のモデルになります。

先日、中古で入手した物をオーバーホールしています。
本体と2種類のロックスクリュー(大型のマイナスタイプと六角ネジ)、
説明書がパッケージの中に入っています。
こちらが551本体です。
水鳥の頭のような、独特な形をしたドットサイトです。

現在は551モデルは製造終了となり、CR123A電池を1個使う
XPS、EXPモデルに置き換えられています。
樹脂製の本体を覆うようにアルミ製のフードが配置されています。
バッテリーは単5(2/3AAA)を2本使用します。

551はNVモード(NV用にレティクル輝度を大幅に低下させるモード)が付いており、
それをオミットした511というモデルもあります。
L3傘下に入る前のEOTechマークがプリントされています。
この部分にバッテリーが2本入ります。
フードには「FOR LAWENFORCEMET/MILITARY USE」の記載があります。
本来はこの上にレーザー使用製品を表す黄色い警告ステッカーが
貼られているのですが、この個体は既に剥がれてしまっている様です。

マウントへの固定は、写真の大型マイナススクリュータイプか
レンチで締め込む六角ネジかを選ぶ事ができます。

また、社外から様々なマウントオプションも販売されています。
下部の写真です。
銀色のアルミテープは、マウント時の傾きを修正する為に
私が貼った物になります(笑)

各種製造データや使用レンチに関する警告が貼られています。
この個体は2004年12月に製造されたモデルの様です。
本体右側面には、エレベーション/ウィンデージ調整ダイヤルがあります。
エレベーションウィンデージ共に1クリック1/2MOAで、
1回転18クリック(9MOA)、エレベーションが25回転、
ウィンデージが13.5回転しましたが、公式データによると
調整量は両方とも80MOAだそうです。
ドットサイトにしては、意外と調整量は少なめです。

どうやら無駄にダイヤルが回る範囲があるらしく、
覗きながらダイヤルを回しても、レティクルが動かなくなる範囲があります。
バッテリーカバーを外した写真です。
バッテリーカバーはカブトムシの角のようなレバーでクランプされます。

しっかり防水パッキンがはまっており、雨に濡れた位では
機能に全く支障はありません。
各ボタンです。551は全て接眼レンズ側にボタンが配置されています。

↓が輝度ダウンボタン、↑が輝度アップボタン(兼、電源ONボタン)、
NVがナイトビジョン用低輝度モードボタンになります。

電源を入れる為には↑を一回押します。
輝度は↑↓ボタンで20段階に調整でき、スイッチOFFは
↑と↓を同時に押します。

最後にボタンを押してから8時間何も操作しないと、
自動的に電源がOFFになります。
電源をONにした画像です。輝度はちょうど中間地点になります。
65MOAのリングに、1MOAのドットが配置されている独自のレティクルです。
レンズが大きい割に、枠が薄く、視界が非常に広く取れているのがわかります。
こちらは最高輝度で、さっきより若干手前に持ってきて撮影した写真です。
ドットサイトの前後位置にかかわらず、レティクルの大きさがほぼ一定になっています。

レティクルはレーザーホログラフィック特有のギラギラとした感じの光で、細かいドットの集合体です。
使い手の視力や眼鏡などの状態によっては滲んで見づらい事があるようです。
この551の他に、手元に半壊した551があります。
こちらを例に取り、ホロサイトの内部構造を見ていきます。

まずは外装ですが、前述した通りアルミ製のフードと
樹脂がメインの本体の二重構造になっています。
こちらはホロサイトの心臓部、レーザーとスイッチモジュールです。
回路類は全てこれに集約されており、耐衝撃性を高める為に
内部にはエポキシのような樹脂が充填されています。
こちらがレーザーダイオードです。
左右のスプリングが電極になっており
こちらに約3Vかけ、スイッチを押すとレーザーが発振されます。

レーザーはクラスUで、横長の形状になっています。
これはホロサイトのベース部分になります。
これはアルミ製です。

中央付近に鏡のようなパーツが配置されていますが、
これはレーザー反射鏡です。
レーザー&スイッチモジュールはこのように配置されます。
ここから発振されたレーザーは反射鏡を介し90°曲げられ、
ホロサイトの上側へと向きを変えられます。
こちらがレンズや調整機構を内蔵したハウジング部分になります。
写真左下の銀色の丸い部分が電極で、電池と接触します。
そこから左右2カ所のプレス部品電極を介し、レーザー&スイッチモジュールへ
電源が供給される配線レス構造になっています。

内側は二重構造で、レティクル形状を記録したホログラム板が内蔵されています。
その板の向きを変える事で、投影位置を動かして
エレベーション/ウィンデージを調整できるようになっています。
こちらは対物レンズ側の写真です。
対物レンズの下(写真では下ですが、本来はサイトの上方)に
ガラス板が配置されているのがわかります。

これは平凹シリンドリカルレンズというレンズの一種で、
スポット状のレーザーを広範囲に広げる役割を持っています。

反射鏡でこのレンズにレーザーを当て、広範囲に広げたレーザーを
今度は下に位置するホログラム板に当て、
記録されたホログラフィックレティクルを浮かび上がらせます。
ドライバーの先端で指し示している板状のパーツがホログラム板です。
これにレティクル形状が記録されています。
これを交換する事で、様々なレティクルを浮かび上がらせる事ができます。

レティクルは空中に浮いている訳では無く、接眼レンズにサンドイッチされた
ホログラム投影膜(特殊なゼラチンフィルター)に投影されます。
接眼レンズは、3重構造からなる合わせガラスで
レンズというよりは光学ウインドウと呼んだ方が良いのかもしれません。

ホロサイトで重要なのはこの接眼レンズで、
実質、対物レンズはただのカバーです。
対物レンズが破損しても使える、と言うのには、こう言った仕掛けがあります。
実はこのホログラム投影膜に関して、ホロサイトは重大な欠陥を抱えています。
この投影膜は劣化することがあり、その場合レティクルの輝度が大幅に低下したり
場所によってはレティクルが消えてしまう事があります。
これはEOTech、L3自身も認めており、結構大きな問題になっているようです。

このホロサイトは、接眼レンズの接着不良で合わせ目から
気泡が入り込んでしまい、視界が気泡の入った
車のリアガラスフィルムの様になってしまってました。

2枚あるガラス板のうち、1枚を外してどうにか視界を確保したのですが、
空気に触れたホログラム投影膜は急激に劣化が進み、
今ではレティクルがかすかに見える程度の輝度まで落ち込んでしまいました。
ホロサイトのレンズは、スコープやドットサイトのように
湾曲しておらず、厚みもないので、もの凄く割れやすい事で有名です。
BB弾の直撃でも簡単に割れてしまいます。

そこで、中華の保護レンズを取り付けてみたのですが、、、
このように、酷い湾曲具合でまともに狙いをつけられません(汗)
保護カバーだけはしっかりした物を選んだ方が良さそうです。
また、透明なポリカ板で自作しても良いと思います。

サイトとしての性能ですが、広い視界と非常にクリアな光学系の為、もの凄くサイティングしやすいサイトです。
比較的大型なので、長物のレシーバーと相性が良く、またライザーマウントやクイックリリースマウント、マグニファイアなど
数多くのアクセサリに恵まれているので、応用範囲の広いサイトでもあります。
価格:製造終了モデル レンズサイズ:約32mm×25mm
全長:約106mm 重量:260g
輝度:20段階調整 コーティング:ARコート
ドット移動量:1クリック1/2MOA、トータル80MOA マウント:ピカティニー(Picatinny MIL-STD-1913) & WEAVERマウント
ドットタイプ:65MOAサークル + 1MOAドット バッテリー:単5アルカリ電池(2/3AAA) ×2