ドットサイトの動作原理
ドットサイトは内蔵されたLEDの光を特定の波長の光を反射するコーティングを施されたレンズに投影し、
その反射光を目で見る光学機器です。
その光の位置を上下左右に調整し、レンズを通して見えるターゲットに重ねて使用します。
スコープは固定されたレティクルに、光軸を調整してターゲットの像を重ねますので、
丁度その逆の方式となります。
ドットサイトを覗くとその殆どがコーティングの為、視界に何らかの色がかかって見えます。
ドットサイトの光源は殆どが赤い光のLEDで、その光が効率よく見えるようにする為に
レンズを透過する光(目標物の像)から赤色を取り除いた色を透過させるコーティングが施されています。
なので、「視界が青い」と言うよりは「赤い成分を取り除いた像が見えている」と言う方が正しいです。
特定の光のみを透過させるバンドパスフィルタに相当します(この場合は赤以外の波長を透過)
対物側から覗くと、ハーフミラーの様に反対側が見えないのが特徴です。
それに対して高額な機種に見られる色のついてないクリアな視界にドットが浮かぶと言う物は
「特定の波長のみを反射する」コーティングが施されています。
これはダイクロイックミラーに相当し、レンズを斜めから覗くと僅かに色味がかって(赤っぽく)見えるだけで
正面、真後ろから覗くと色のついていないクリアな視界となっています。
このレンズは小型化が難しく、非常に高価な事から廉価版には採用されていません。
動作原理図
ドットサイトの動作原理は上の図のようになっています。
特徴として、LED光源から出た光を真っ直ぐ後方に投影する為、レンズが必ず光源の方向に傾いている事が挙げられます。
ですので、ダットサイトを正面から見て、レンズが傾いているから取り付けミスで不良品だ!
と言う事にはなりません。ちゃんと傾いているのには理由があります。
変わった例として、ホロサイトが挙げられますが、この動作原理はかなり特殊な為、
別の機会に掲載したいと思います。
光軸の移動方法
ドットサイトは、オープン式とチューブ式で光軸の移動方法が異なります。
オープン式は殆どがレンズ、発光モジュールがセパレートになっています。
この発光モジュール内で、LEDの向きを上下左右に調整できるようになっています。
C-moreのようにレンズの傾きを調整して、光軸を擬似移動させる方式の物もあります。
対してチューブ式は、内部に発光モジュールを内蔵したインナーチューブがあり、それをスコープ同様
調整ノブのねじを回すことにより上下左右に傾け、光軸を移動させる方法を取っています。
右上の写真で、ドットサイト内部の傾いたチューブがインナーチューブです。