Aimpoint Micro T-1タイプドットサイトを何とかする

先日購入したノーブランドのT-1タイプドットサイトですが

・視界の左下1/4でしかドットが移動できない
・ノブが思いっきりずれている

と言う大きなトラブルを抱えていました。
今回は、それらの修理に挑戦してみました。

まずはエレクターチューブを外します。
エレクターチューブは対物レンズ側のロックリングで
保持されているので、このリングを外します。

強力なねじロックがかかっているので、
バーナーで適度に炙って溶かし、外します。
同じ容量で接眼側のレンズも外し、
次に調整ねじを全て外し、スイッチ周りをばらして
配線をフリーの状態にしてエレクターを抜き取ります。
配線が非常に細く切れやすいので注意が必要です。
まずは調整幅を広げる為、
調整ねじの頭の部分をクリックパーツの入る穴の
ギリギリまで削り込みます。
緩めた時、頭が出っ張るのでこちらも削っています。

削らない場合、ねじの先端にかさ上げ用の
スペーサーか何かを接着して
ねじの全長を伸ばし、押す量を増やせばOKです。
その際、頭が飛び出すので頭側は削らなくてはなりません。

写真ではさらに中心にM4のねじ穴を空け、
ここにフラットなイモネジを埋め込んで調整式にしようと思いましたが
そこまでやる必要はありませんでした。
カバーの突起が外れるところまでねじ込まれるので
ねじの入る基部を削り、高さを締めこんだ時と面一にします。

この時、エレクターが動かなくなる少し手前で
ねじ込むのを止めておきます。
でないと、ねじ込みすぎてエレクターを破損してしまいます。

ストッパー機構など何も無いので、クリックが重くなったら
回すのを止めなくてはなりません。
次に修理するのはエレベーションダイヤルのセンターずれです。

写真の様に、思いっきりセンターを外れています。
ここもバーナーで炙り、基部を外します。
見事に穴がずれているのが分かります。
今回は接着でダイヤル基部を正規の位置に固定しなおします。

一回り大きい穴を正規の位置に開け直さなくてはなりません。
今回はフライスで開け直しましたが、
素材がアルミなのでヤスリでも簡単に削れます。

穴の大きさは9mmで良い感じです。
ダイヤル基部にオートウェルドを塗り、
本体に取り付けます。

この時、絶対にカバーがねじ込まれる外側のねじに
オートウェルドがつかないようにしてください。
こんな感じで、センターに固定します。
センター出しは目視でOKです(笑)
反対側です。
なるべくはみ出ないように量を少なめにすると良い感じです。

完全固着まで、24時間安置します。
こんな感じで、カバーも最後までしっかりねじ込めます。
オートウェルドはかなり強力で、下処理と脱脂がしっかりしていれば
エレクターチューブの板ばねのテンション程度ではびくともしません。
エレクターチューブ裏の配線が千切れそう&まとまりが無いので
ホットボンドにて固定しました。
逆の手順で組みつけていきます。

発光モジュールは5時方向に配置するのがお勧めです。
ウィンデージダイヤルから内側を見て、
発光モジュールと干渉していないかチェックします。
スイッチ周り、ノブを組み立てれば完成です。
点灯させてみた画像です。目一杯緩めた時は左下に
目一杯締めこむと右上にドットが移動します。
これで、視界全域で調整が可能となりました。

本来ならばこれが普通なのですが、
ここまで手をかけなければ使い物になりませんでした。
購入の際、注意と覚悟が必要です。