Premier Reticles
HERITAGE 3-15×50MM TACTICAL
GENU Mil-Dot Single-Turn MTC 0.1mrad

LUNAさんに取材させていただきました。
LUNAさん、ありがとうございました。

アメリカ Premier Reticles社のスコープで、
倍率3-15倍、対物径50mm、FFP GENU Mil-Dotレティクルに
シングルターンノブ(1クリック0.1MRad)の仕様です。

Premier Reticles社は古くから光学機器の設計やレティクルの供給を行ってきた会社で
近年、USMCのM40A3に搭載されたSchmidt & Benderのスコープに
GENU Mil-Dotレティクルを供給していましたが
その後Schmidt & Benderと契約を打ち切った様で、
ドイツ人技師を雇ってスコープの自社製造に踏み切り
HERITAGEシリーズを開発した模様です。

製造はドイツに設立した子会社Optronika社が担当しているようです。
(http://www.optronika.de/deutsch/vertrieb-de.html)

アメリカが今まで蓄積してきたノウハウと、ドイツの高い技術力の
コラボで完成した高性能スコープです。
まず目を引くのが、巨大な3つのノブです。
チューブ径は大型スコープの標準でもある34mmなのですが、
ノブはそのチューブを遥かに上回る太さです。

それに伴い、ハウジングも一般的なスコープと比べ巨大です。
ノブは1回転で15mrad(1mrad = 1MIL)調整でき、トータルで34mradと
相当な移動量を確保しています。

シングルターン仕様なので、ノブは1回転しかしませんが
十分な調整範囲がある上に、今何回転目と言うのを考えなくても良いので
非常に調整しやすい機構です。

ちなみにウィンデージは1クリック0.1mrad、±8mradとなっています。
ノブには10目盛りごとに数字が振られています。

防水Oリングが強く効いている感じで、ノブは重めですが
クリック感がはっきりしており、よくある「ネチネチ感」のノブとは一線を画しています。

このノブにはU.S.OPTICSのMTC(More Tactile Click)と言う機構が組み込まれており
1クリック毎と数字が振られている10クリック毎のクリック感が違います。
1クリック部分は「ジジジ」と言う感じで、10クリック毎に「カチッカチッ」と大きくなります。
この機構はU.S.OPTICSの特許だそうです。

視覚だけではなく、触覚でも移動量を素早く判別できるようになっています。
もう一つの大きな特徴がノブのLever Lock Systemです。

従来、この手のシングルターンノブでゼロインを行う場合は
外周のイモネジをレンチで緩め、ノブを回してゼロを決めた後
好きな数値部分でネジを締める、、、と言う作業が必要でしたが
HERITAGEのノブは上部にレバーによるクランプ機構を備えており
このレバーを写真の様に弾丸のリム部分などで起こすことで
シングルターンノブと内部の連結を解除、ゼロインを行えるシステムです。
内部はこんな感じになっています。
内部の調整子にレバー一式がねじ込まれており
クランプすることで調整子とノブを摩擦でロックする仕組みになっています。
サイドフォーカスノブも巨大で、中央にイルミネーションが組み込まれています。

サイドフォーカスには距離や方向のマーキングが施されていないので
事前に頭に叩き込んでおく必要があります。
サイドフォーカスノブの1段細くなった部分を引き出すと
イルミネーションの段階スイッチが現れ、これを回すことで輝度を調整します。
イルミネーションダイヤルは0の位置でしか収納できず、
輝度を選んだあとにロック、、、と言うことはできませんが
出っ張っている=イルミを付けていると視覚的に分かる為
消し忘れ対策も考慮していると思われます。

ちなみにイルミは6時間で自動消灯するようになっています。
バッテリーはCR2032を使用します。
接眼ベルには社名の刻印が入っています。
パワーダイヤルや視度調整のロックリングなどの
デザインも、他に類を見ない独特な物となっています。
視度調整はギザギザの付いたロックリングを緩めると
接眼レンズ部分が回るようになるので、それで調整します。
対物側のコーティングです。
緑系の中に、1枚ワインレッドの様なコーティングが見えます。
接眼側のコーティングです。
Schmidt & Bender PMU 5-25×56のコーティングに似た
薄い黄色のコーティングです。

光学系はドイツメイドとの事です。
付属でロゴの入った、ちょっと変わったバトラーキャップが付いてきます。
このバトラーキャップはキルフラッシュで有名なTenebraexが製造しています。
バトラークリーク製と違い、折りたたんでスコープのチューブにぺったりつけられます。
レティクルはFFP(ファーストフォーカルプレーン)のGENU Mil-Dotです。
3倍では中心部はほぼデュプレックスにしか見えませんが、ポスト部分に細いラインが入っており
この間隔が5MILとなっているので、低倍率でも十分レンジングが可能となっています。
15倍にしたレティクルです。
従来のミルドットに0.5MIL毎のハッシュが入っていて、より細かなレンジングが可能です。
15倍にした時、ポストに入っている5MILのラインも1本視界に入るようになっていて、様々なラインを使う事が可能です。
イルミネーションを最高輝度(8)で起動した画像です。
中心の+部分だけが光るようになっています。
明け方、屋外で覗いてみた(3倍)画像です。
解像度が高く、見え方はSchmidt & BenderやHensoldt(ZEISS)と同じく肉眼で見た景色がそのまま見えるような「原色再現系」です。

特筆すべきは視界の広さです。
大型スコープや高倍率スコープになると、低倍率の時にエレクターチューブの外周が写りこんで
視界が狭まったりするのですが、HERITAGEは非常に広い視界範囲を確保しています。
接眼ベル一杯、レンズの隅から隅までしっかり見ることができます。
15倍にしてみた画像です(ちょっと手ぶれしてます)
倍率を上げて見え味が変わったり、霞んだりするということは無く、そのまま像とレティクルが拡大される感じです。
これと言って気になることは無く、光学系は非常に高いレベルで纏まっています。

操作系、光学系共に一流のノウハウが盛り込まれており、正に「使う」為に作られたスコープと言う感じです。
全体的に大型で重量があると言うのが難点ですが、これらの機能から見るとそれも気にならないレベルです。
価格:$3000くらい
全長:345.5mm(バトラーキャップ無し)
重量:1182g(バトラーキャップ無し)
チューブ径:34mm
倍率:3-15倍
フォーカス機能:サイドフォーカス、視度調整
ノブ:シングルターン 1クリック0.1mrad。Lever Lock System & MTC搭載
レティクル:GENU Mil-Dot
対物レンズ径:50mm
対物側チューブ径:57mm
接眼レンズ径:????
接眼側チューブ径:45mm
アイリリーフ:90mm
瞳径:11.5mm(3倍時) 3.5mm(15倍時)
内部処理:????
対物側コーティング:緑系&ワインレッド系コーティング
接眼側コーティング:黄色系コーティング
Field Of View : 12.8m(3倍時) 2.8m(15倍時) いずれも100mでの値