ファーストフォーカルとセカンドフォーカル

スコープのレティクルには、ファーストフォーカルとセカンドフォーカルという2種類の方式があります。
それぞれの方式により、特徴や使い方が微妙に異なってきます。
ここでは、それぞれの構造や特徴をまとめたいと思います。

・ファーストフォーカルとセカンドフォーカルの違い
ファーストフォーカルとセカンドフォーカルの一番の違いは、
「ズームに応じてレティクルの大きさが変わる」
と言う点です。ズームに応じてレティクルの大きさが変わるのがファーストフォーカル、
反対に、レティクルの大きさが変わらないのがセカンドフォーカルです。
ファーストフォーカルは全倍率域で、ミルドットなどのレンジファインダーが使えるのに対し、
セカンドフォーカルは決められた倍率でしかレンジファインダーが機能しません。

フォーカルと言うのは「焦点、フォーカスと同じ意味」と言う意味で、スコープ内に2つ存在する
焦点のどちらにレティクルを配置しているかを示しています。

ファーストフォーカルは第一焦点と言い、エレクターチューブ先端にある焦点の事を指します。
セカンドフォーカルは第二焦点と言い、接眼ベル内にあります。
このどちらかにレティクルを配置するかによって、ファーストかセカンドになります。

・ファーストフォーカル
ファーストフォーカルは、第一焦点にレティクルを配置した場合の方式で、ズームに連動してレティクルの大きさが変わるのが特徴です。

   

写真はHAKKO SPRINGFIELDモデルの像です。左側が4倍、右側が16倍の時の画像となります。
写真の通り、低倍ではミルドットが小さく、高倍ではミルドットが大きくなっています。
このように、全倍率域でミルドット等によるレンジファインダーが使用できるのが特徴です。
主にヨーロッパで主流の方式となっています。
全倍率域でレンジファインダーが使用できるのが強みですが、低倍率域ではレティクルが小さくなりすぎて
全く役に立たないこともあり、賛否両論といった感じがあります。

もう一つ大きなメリットがあります。それは、ズームしても着弾点が変わらないと言うことです。
一般的に、スコープはエレクターチューブ内のレンズを前後させることによって、倍率を変化させています。
前後させると言うことは、移動に必要なクリアランスがあるということで、前後した時、光軸が若干ずれてしまいます。



ズーム部分の写真です。エレクターチューブに見られる、カム状の部品が回ることにより、
エレクターチューブ内のレンズが連動して前後するようになっています。
ファーストフォーカルの場合、この前後するレンズより前にレティクルがあり、対物レンズから入ってきた光と
レティクルを重ねた像が出来上がる為、ズームレンズで光軸がずれても、狙点がずれることはありません。



ファーストフォーカルのレティクル部分の写真です。エレクターチューブ先端にレティクルがついています。
ズーム部分より前にレティクルがある、と言うのが特徴で、これにより狙点のズレを防いでいます。
シュミット&ベンダーやZEISSが採用しており、今日、主流となってきた方式です。

・セカンドフォーカル
セカンドフォーカルはアメリカで主流となっている方式で、ズームしてもレティクルの大きさが変わることは無く、
基本的に最大倍率の時にレンジファインダーが機能するようになっています。

   

このように、ズームしてもレティクルの大きさが変わらないのがセカンドフォーカルです。
ファーストフォーカルに比べ、低コストで作れる為、倍率を変えないで使用したりする用途に向いています。

特徴としては、先に挙げたようにファーストフォーカルのスコープに比べて低価格の傾向があることです。
また、低倍率でもレンジファインダーが使いやすい為、自分で尺を計算しておけば、最大倍率でなくても
レンジファインダーは使用することができます。

欠点としては、倍率を変えたとき、若干ながら狙点がずれてしまうことです。
(エアソフトガンでは問題にならない位のズレなので、心配することはないと思います。)

    

セカンドフォーカルのスコープは、第二焦点にレティクルを配置しています。
第二焦点はスコープの接眼ベル内、かなり目に近い位置に存在しています。



セカンドフォーカルの配置関係は写真の様になっています。
ファーストフォーカルと違い、ズームレンズより後ろ側にレティクルがあるというのが特徴です。
ズームした場合、先に述べたように光軸が若干ずれます。ずれた光軸より後ろにレティクルがある為、
ずれた像にレティクルを重ねた像が出力されることになります。
これにより、セカンドフォーカルは、ズームした場合、若干狙点がずれてしまいます。
ベンチレスト射撃等では、リコイルでズームリングが動かないように、ネジでしっかり固定して使用するか
固定倍率が好まれる傾向にある様です。