3Dプリンター Dimensionによるマウントリング製作

以前製作したパチット&ベンダーを使う際、問題となっていたのがマウントリングです。
チューブ径が34mmと特殊サイズのマウントリングが必要でした。
今までは35mm径用のマウントリングに紙を挟めて使っていたのですが
やはりちゃんとしたマウントリングが欲しくなってきました。

Badgerで34mm用が何種類か出ていますが、いずれも日本国内では
\30000〜と非常に高価なので、何とか作れないものかと思いました。

最初はワイヤーカットで製作しようと思ったのですが
ワイヤーカットのある場所まで非常に遠く、移動だけでかなりの時間を要し
加工時間が取れませんでした。

そんな時、3Dプリンターの話を聞き、これだ!と思い
所有している所にコンタクトをとってもらった所、OKを貰えたので
早速データを持って行ってみました。
↑の動画が3Dプリンターを実際に使ってみたところです。

今回使用したのはSTRATASYS社(国内代理店は丸紅情報システムズ社)のDimension 768と言うモデルです。
構造はNCで制御されたホットボンドと言う感じで、溶融したABS樹脂をノズルから出し、それを塗りたくって積層していくと言うメカニズムです。
今まで樹脂成型品を作るとなると金型を作って射出成型するか削り出さなくてはならなかったのですが、
この3Dプリンターが登場したことで簡単に成型品と同じ形状の部品を作ることができ、
試作品やプレゼン用のパーツをお手軽かつ簡単に製作できると言うことで、採用する会社が増えてきているそうです。

丸紅情報システムズ社のDimension紹介ページに飛ぶと、なんと東京マルイのレビューがあり
デトニクスはこのDimensionシリーズを使って試作品を作ったそうです。
これができた部品の一つです。
射出成型したような形状が、積層製法で製作されます。
底や細かい形状のある部分に、色の違う樹脂がくっついていますが
これはサポート材と呼ばれる補強材で、土台にしたり、
壊れやすい部分を作るときに補強壁として用いたりします。

専用ソフトでデータを作るとき、自動でサポート材を盛るデータも製作されます。
キャップ部分の画像です。
アーチ状に成型していくように配置したので、
アーチの下にサポート材を盛りながら成型していきました。
キャップスクリューの座繰り穴も、最初から成型することができます。
こんな感じで、全12点のパーツを製作しました。

モデルにしたのはBadgerの

・USMC M40A3 Standard (Height 1.0”)
・USMC M107 (SASR) Extra High (Height 1.49”)

です。しかし、よ〜く見ると違和感が、、、
内径は図面値通り出力され、チューブ径にピッタリでした。
最悪ラッピングを考えていたのですが、無加工でOKでした。
キャップも寸法ピッタリで出力されていました。
マウントベースに取り付けてみたところ、、、

取り、、、つけて、、、?

( ゚ Д゚)
落ち着いて図面を確認、、、図面を、、、
26.61mm、、、ピカティニーは21.2mm、、、


  _, ._
( ゚ Д゚)


やっちゃったw

なんかふくよかだと思ったら、横幅の値間違って入力してました。
Badgerっぽいヘビーなマウントリングと言うことで、このまま使います。
図面を見ると、マウントの傾斜と爪の傾斜の隙間が1.7mmなので
爪部分に2mm厚の板張ればOKとなりました、、、
気を取り直して製作の続きです。

動画でも少し触れましたが、この成型品は中空です。
中身の詰まったソリッド形状でも作れるのですが、材料を大量に使う上に
成型時の熱が篭り、寸法が出にくくなったり最悪変形してしまうそうです。

そこで、中空で作った中にさらに樹脂を流し込んで
ソリッド形状にしてしまおうと企みました。

まずは一番高い部分に樹脂注入用の穴と空気抜き用の穴を開けます。
なるべく目立たないところにするため、爪の下としました。
今回流し込んだのはウェーブのレジンキャストEXです。
フィギュアや樹脂小物を作るときに型に流し込んで使う
流動性の高いポリウレタン樹脂です。

固まるとかなり硬くなる為、今回の作業にうってつけでした。
A液とB液を1:1の割合で混合すると60〜90秒ほどで硬化を始め、
白く濁りだすと一気に発熱し、硬化します。
混合してすぐに注射器で吸い上げ、注入準備にかかります。
穴からゆっくり注入すると、内部に黄色い混合液が充填されていくのが見えます。
内部はクモの巣状になっていて、全ての空間が繋がっているので
混合液が隅々まで行き渡り、簡単に充填することができます。

終わったら注射器のシリンダーとピストンを外し、硬化を待ちます。
かなり熱を持ちますが、手で持てる範囲なので変形は心配無さそうです。

注射器は硬化した後、こびり付いた樹脂を落とします。
注射器の材質(ポリエチレン)にレジンキャストはくっつかない為、
簡単に掃除することができます。
力のかかるマウントリング基部と爪に樹脂を充填します。
中空の状態に比べ、かなり重くなりました。

この後、はみ出した部分を成型し、表面の積層跡を紙ヤスリで消していきます。
2009.9.11

レール幅が広かった分、プラ板を貼り付けて調整しました。
厚みは2mmを用い、溶剤系接着剤でがっちり接着します。
一晩放置し、完全固着した後に削り込んでいきます。
パーツ表面には積層した段差が残っているので
80番→320番で傷消し&足付けを行います。

この後、ネジ部分を中心に加工を進めていきます。
2009.9.24

とりあえずM40A3用を先に進めることにしました。

表面の深い傷をパテで埋めた後、サフを吹きます。
その後、ソフト99 ホイールカラーのW-38 つや消しブラックで塗装しました。
トビカ トップガードの方が塗膜が強く、良い色だったのですが
先日切らしてしまったので、暫定色です。
ナットは当初、真鍮の六角棒を削って作ろうと思ったのですが
ホームセンターで流用できそうな材料を見つけたのでそちらに変更しました。

使用したのはM8のゆるみ止め付きナットで、六角+段付きという
狙ったかのような形状をしていました。
そのままでは固定用のネジ(M5)に付かないので、
内側にM5用のエンザードを入れています。
ゆるみ止めナットの表面のメッキをペーパーで落とした後、
トビカの常温黒染剤 ブラッキーにて黒染めします。
フィルムケースに入れ、シャカシャカ振っていると黒くなってきます。
取り出した後、水道水で軽く洗うとこんな感じになります。
この後、仕上げオイルに浸透させて拭けば完成です。

ネジはM5×60の皿ネジを適度に切ったものです。
先端に+ドライバーの溝があるので、そこはパテで埋めて塗装してあります。
組み込むとこんな感じです。
(ナットはまだ未処理段階)
こんな感じになります。
USMC刻印と管理番号は入っていません。
実物のリング固定ネジはトルクスなので、
M3×10のトルクスネジを注文しました。
スコープをマウントしてみた画像です。
スコープはパテの塊、ノブはジュラコン、マウントリングはABSの
「やわらか かいへいたい おぷてくす」
の出来上がりです。

細かい荒さは残りますが、自分用なので妥協です、、、