DIY TWS(Thermal Weapon Sight)
2013.3.30

実は昨年夏頃から、こっそりサーマルビジョンを作っていました。
フィールドに何度かトライアルで持ち込み、
都度改良を加え、やっと落ち着いたので記事にしてみました。

使用したユニットは、有名なキャデラックのナイトビジョンユニットです。
ナイトビジョンと言っても、実はサーマルビジョンで
ユニットの製作はレイセオンが行っていたようです。

キャデラックのオプションとして、2000年辺りから販売されましたが
数年で販売終了、その後採用される事はありませんでした。

このユニットは事故車から生きたユニットを摘出した物になります。
実はこのユニットは2個目で、最初に購入したユニットは
内部パーツの破損がひどく、最終的に動作不能に陥ってしまいました。

簡単な配線で、映像をNTSC出力することができるので
ユニットと市販の液晶モニタがあれば即、作ることができます。

ユニットの能力は、調べた限りでは

・解像度 : 320×240
・フレームレート : 30Hz
・感知波長 : 7-14μm
・検知素子 : 非冷却型(BST?)

と、大型ながら最近の中堅クラス並みのスペックがあります。
特に、フレームレートが高めなのがポイントです。

このユニット、モデルチェンジした物をL3が車載用として作っているみたいです。
以前は野暮ったいアルミの箱をくっつけていましたが、
今回はハウジングを設計、3Dプリンターにて出力しました。

写真に写っていませんが、液晶&光学系モジュールと
配線などで中はゴチャゴチャしています(笑)

以前のモデルが、ホビージャパン発行の
Guns & Shooting Vol3に掲載された
岩手 鹿の勢子猟の記事に少しだけ載っています。

あの時、実際に沢の下にいる鹿を発見し
絶大な威力を発揮しました。
ハウジングを組み立て、それっぽく塗装して完成です。

全長255mm、重量1.6kgと、TWSとしてはかなり大型です。

夜戦も考慮し、アイピースはPVS-4用の目を押し当てると開く物をつけています。

サイト調整は光学系ではなく、ELCANのマウントで行います。
横には、バッテリーコンパートがついています。
使用バッテリーはA123S 13.2V 1100mAhです。
満充電で、約6時間の連続使用ができます。
前方から見ると、Geレンズの怪しい反射が見えます。

視野角は24°×18°で、液晶モニタをレンズで拡大して見ているので
倍率はほぼ等倍です。

ハウジングを外して、ユニットにレンチを突っ込むとフォーカス調整が可能で
約0.5mくらいから∞まで、幅広い範囲にフォーカスが合います。

至近距離に設定し、電装系の異常加熱箇所を調べるのにも使えます。
左側面には、電源ボタンがあります。

液晶に画質調整機能があれば、側面にボタンをずらっと並べたかったのですが
肝心の液晶が調整不可のモデルだったので、今回はオミットしました。
バッテリーコンパートは金具でロックします。

ハウジングはボルト4本で固定され、上下に分割できます。
録画機能が無いので、画面直取りの汚い画像ですが、、、

大体、こんな感じで見えます。
走っている車両の窓ガラス(暖房をたいて暖かくなっている)や
タイヤが路面との摩擦で熱を持ち、白く見えるのが分かります。
以前撮った動画です。


昨年から運用してみた感想ですが、、、

確かにサバイバルゲームにおいては反則的な索敵能力を発揮しますが
ユニットが重く、咄嗟のサイティングに対応できないのと
索敵中は視野が狭く、無防備になることが多くて
単独使用しても、効果は今ひとつな感じです。

その代わり、分隊行動で索敵に集中したり、
得た情報を味方同士で共有し、リンクした場合は
相当な威力を発揮することが多かったです。

優秀な機器も、運用の仕方だと思い知りました。