スコープとは?

スコープとは、光学を応用した照準機器の事を良い、
銃の世界では一般的に「ライフルスコープ」、「ピストルスコープ」と称します。

ピストルスコープはどちらかと言うと少数派で、大多数はライフルスコープが占めています
ここでは、ライフルスコープを例として記事を書いています。

スコープの特徴は、金属製のチューブ内に複数のレンズを備え、遠くにある物を拡大して見ることができます。
主に、肉眼では視認することが困難な遠距離の物を撃つ時に用いられます。
(中には倍率が低く、近距離の対象物に素早く照準を合わせる目的の物も存在します)


写真は一般的なライフルスコープで、Barrett M82A1 対物狙撃銃に搭載されています。
ライフルスコープを製造しているメーカーは多く、その種類も膨大です。
しかし、基本的な構造はどれも共通で、各部分の配置や取り付け部分などは
半ば規格化されているものがあります。

写真はG&P製 LEUPOLDのレプリカスコープです。スコープは基本的に

@ 対物ベル(対物レンズ部分)
A 調整部分
B 接眼ベル(接眼レンズ部分)

で構成され、配置はほぼ共通となっています。
@ 対物ベル部分の画像です。
この部分は、スコープの中に光を取り入れる役割を果たします。
覗く対象物を光として取り入れて、内部に導きます。

この部分のレンズは対物レンズと呼ばれ、大きさ、質、コーティングによって
そのスコープの性能を決める大きな要素となります。
レンズの質、コーティングが同じ場合は、径の大きなレンズ程
大量の光を取り入れられる為、像は明るくなります。
A 調整部分の画像です。
スコープは、ただ目標を拡大して見るだけではなく、内部に「レティクル」と呼ばれる線を設け、
弾丸を目標物に導く「照準機能」を有しています。
その照準機能の調整部分がこの部分にあたります。

基本的に「エレベーションダイヤル」と「ウインデージダイヤル」で構成されています。
このダイヤルが配置されているチューブの中には、「エレクターチューブ」と呼ばれる
もう一回り小さなチューブが入っていて、中には何枚かのレンズが入っています。

ダイヤルを回すことにより、エレクターチューブの向きを変える事ができ、
その結果、光の通る向きが変わり、スコープから見える目標物を上下左右に動かすことができます。
こうして、目標物の像(弾が当たっている場所)をうまく動かして、レティクルの中心に持っていきます。
エレベーションダイヤルは像の上下を、ウインデージは左右を担当していて、
それぞれ1目盛り動かすと、どの位像が動く、と言うのがスコープごとに決まっています。
調整部分に付いているもう一つのダイヤルは「サイドフォーカスダイヤル」と呼ばれる物で、
射撃の際、支障となる「視差」を除去する為の物です。
視差については複雑になる為、別コーナーを参照ください。

このフォーカスダイヤルはスコープによって様々な場所についており、
対物ベルについている場合は「フロントフォーカス」
調整部分についている場合は「サイドフォーカス」
接眼ベルについている場合は「接眼フォーカス」
と、3つのタイプに分けられます。このフォーカス機能の無い物もたくさんあります。

これらに関しても、別コーナーで詳細に紹介します。
これは、Bの接眼ベル部分の画像です。
対物レンズより導かれた光は、エレクターチューブ内を通り、
最終的にこの接眼レンズより、拡大された像として出力されます。
写真の機種には、倍率を可変させる「パワーダイヤル」、
レティクルを光らせる「イルミネーションダイヤル」、そして「視度調整ダイヤル」が配置されています。

パワーダイヤルとは、倍率を変化させる機能を持つ部分で、ここを回すことによって
内部のレンズを前後させ、倍率を変化させることができます。
この機能があるのは可変倍率機種のみで、固定倍率の機種にはありません。

イルミネーションダイヤルは、回す事によって、内部に配置されたLEDを光らせ、
レティクルを光らせる働きがあります。通常は何段階かの明るさが選べるようになっています。
これも、搭載されている機種とそうでない機種があり、ダイヤルが違う部分にある物もあります。

視度調整ダイヤルは、使う人の視力に合わせて、レティクルのピントを合わせる物です。
これも詳細は別コーナーを参照ください。
これが覗いた時の画像です。
十字に見える黒い線が「レティクル」で、
基本的に、この十字の中心に弾が飛んでいくように調整することになります。

レティクルにも様々な種類があり、中には目盛りがついていて
目標物の大きさを測ることができる物もあります。
*スコープをつけて、どんなメリットがあるのか?*

スコープをつける目的は、最初に述べたように、遠くの目標に弾を当てる為です。
アイアンサイトと比べると、拡大された像を見ながら精密な照準が可能となり、有効弾を効率よく送ることができます。

よく、「実銃の射程距離ならまだしも、エアソフトガンごときの射程距離でスコープなんてつけても意味が無い」と言う意見を聞きますが、
有効弾を効率よく送る、照準精度の向上と言う観点から見ると、意味が無いという事はありません。
また、照準精度の向上以外にも、目標物の周囲の状況(風や障害となる物体の確認)の確認にも用いる事ができ、
使い方次第では、射撃を非常に有利に進めることができます。

しかし、それには「スコープを確実に使いこなせる」と言うことが大前提にあり、使い方を知らないまま搭載するスコープは
それこそ「意味の無い物」となってしまいます。
いくら高額で高性能なスコープも、「使いこなしてナンボ。使いこなせなければただの飾り」となってしまいます。
スコープを乗せる際、この事を念頭に置かなければなりません。