NIKON BUCKMASTER 4.5-14×40 レストア大作戦

先日、某オークションで
NIKON BUCKMASTER 4.5-14×40のジャンク品なる物を発見、
若花ださんのMonachがかなり良い物だったので、
そのNIKON系列のスコープならば意外と良いものかもと思い、落札してみました。
相当傷があり、アイピースのゴム等も欠品と言うことでしたが、
\2600と言う破格値でゲット!

我が家にやってきたので、レストアしてみようと思います。
外側の傷はお色直しでどうにかなるので、まずはファンクションチェックです。

なにやらサイドフォーカスの感触が妙です。
変なゴリゴリ感があります。

とりあえず分解してチェックしてみます。
サイドフォーカスダイヤルに貼ってあるNIKONのロゴを剥がすと、
ネジが出てきます。

これを緩めると、キャップが取れます。
次に、基部にあるネジを1本外すと、サイドフォーカスダイヤルが取れます。

*注意*
ダイヤルを外した瞬間、内部の不活性ガスが抜けてしまいます。
エアソフトガン程度の環境で使用する分には
不活性ガスが入っていなくてもカビなどが繁殖したりしませんが
(高温多湿な場所は除く)
エクストリームな環境で使用する場合は、お勧めしません。
内部はこんな感じになっています。
内部に見える金色のピンが前後することにより、
エレクターチューブ前方にあるフォーカスレンズが連動して前後し、
ピント&視差を調整すると言う仕組みです。
ダイヤル裏はこんな感じになっています。
カム状の溝にピンがはまることによって、前後に動きます。
電動ガンのホップダイヤルみたいです。

変な感触がしていたのは、ここに異物(ネジロックの欠片?)が
挟まっていたからでした。

きれいに掃除して、軽くグリスを付けて組みなおします。
エレベーション、ウィンデージダイヤルを回したところ、
なんと基部ごと回って外れてしまいました(汗)

どうやら、フォーカスカムに挟まっていたのはここのネジロックだったようです。
強固なネジロックが外れるだけ酷使されていた証拠です。
ボディの傷からしても、このスコープは相当な修羅場(?)をくぐってきた様です。

とりあえず、ネジロックを付け直して再び組み上げます。
このスコープは2ピースで、写真の位置でボディが分割できます。

・・・普通はここも強固なネジロックが塗布されていて、外れない場所なのですが
なぜがいとも簡単に外れてしまいました(汗)

こちらもネジロックの欠片が多数付着していたので、掃除。
ついでにエレクターチューブのレンズも綺麗にして組みなおしました。
接眼側のレンズに特に問題は無かったので、
最後に対物レンズを綺麗にする&フォーカス距離の調整を行います。

本来、このスコープは最低50ヤードからフォーカスが合うのですが、
エアソフトガン用途では使いづらいので、
それ以下の距離からフォーカスが合う(視差が取れる)状態にします。

方法は簡単で、まず、サイドフォーカスダイヤルを最低距離に合わせます。

次に、対物レンズを回して、手前に持って行きます。
フロントフォーカスと同じ原理で、どんどん焦点距離が近くなっていきます。
スコープの光学設計によりけりですが、この方法を用いることで
3m先からフォーカスを合わせる事も可能です。
その場合、サイドフォーカスを∞に合わせても
それなりに近距離でしかピントが合わず、近距離専用スコープになってしまいます。

また、これは対物レンズが回せる機種で無いとできない技です。
耐衝撃性を重視しているスコープは、ネジロックで固定されている事が多いです。
レンズの内側、外側を綺麗にして、フォーカス調整を行えば完了です。
私は最低30mでパララックスフリーに調整しました。
不活性ガス代わりに、エアダスターのHFC152aを封入して出来上がりです(笑)

これにて機構的なレストアは完了です。
光学性能もなかなかな感じで、外側のお色直しが完了したら
インプレ記事を書こうと思います。