現行型 かいへいたいのすこーぷ製作記

現行型M40A3を製作している時、
「やっぱりスコープもUnertlじゃなくてS&Bだよな〜」と思い、
運悪く(笑)アキュコン2009も間近に迫っている、と言う絶妙なタイミングで
一念発起し、←のスコープを作ってみることにしました。

今回は「ネタを作りたい一心」の元、狂ったように作業を進めました。
まずはベースとなるスコープの選定です。
サイドフォーカスが効き、ノブが上下せずにその場で回るタイプのスコープで
あわよくば、光学性能もいい物を、、、と言うことで、
ベースはTASCOのTR-Xコマンダーに決定しました。

大加工になるので、まずは完全分解です。
まずはボディから作っていきます。
←はパーツを抜き取られ、抜け殻になったTR-Xです。
ノブ基部だけ、どうしても分解できませんでしたorz
チューブ径が34mmで、その他の径もかなり太いので
モリモリパテを盛っていきます。

強度も必要なので、おなじみのセメダイン エポキシパテ金属用を使います。
最終的に、このパテを7本使用しました(笑)
資料やら図面やらです。
スコープを旋盤に固定する為に、冶具を作ります。
これを接眼側のチューブに入れて、芯押し台でしっかり固定します。
こんな感じで、接眼側に装着します。
卓上旋盤にスコープを固定した所です。
これから削っていきます。
図面どおり削ると、パテを盛り足りない部分が出てきたので
ここをポリパテで埋め、また削って成型します。

マウントリング取り付け部は精度が必要なので、
スコープの芯をしっかり取り、チューブの精度はφ34mm -0.01mmで
しっかり出しておきます。
ノブ基部のカバーも、側面の肉を落として
着脱に支障が出ないようにします。
離型剤として、シリコンオイルをたっぷり吹いて
本体に取り付けます。
エポキシパテをモリモリ盛ります。
盛った後、旋盤で大まかに削ります。

本当はスコープを旋盤に固定したら、着脱せずに
最後まで加工してしまった方が芯が出るのですが
そうは言ってられないので、最低限精度の必要な部分を加工したら
後は野となれ山となれです(笑)
フライスで面を出します。
PMUのボディ中央は丸みを帯びたデザインなので、
それを再現していきます。

画像採寸したデータを下に、削る部分をマーキングする型紙を作ります。
こんな感じではめ込み、マジックで削る部分を塗っていきます。

見事にパテが足りてないですね(笑)
こんな感じで、削る部分を塗っていきます。
マーキングが終わった画像です。
このように、4面共に削る部分をマーキングし、旋盤で回してみると
色を塗っていない部分が、球形に見えます。

赤く見える部分だけを削るように、荒取りしていくと、、、
こんな感じに、球形っぽく削ることが出来ます。
後は、やすりを使って手削りし、仕上げていきます。
次に、イルミネーション基部を作っていきます。
ここにも、パテを盛ります。
メインチューブの時と手順を同じくして、
フライスで面出しした後、マーキングして球形に削っていきます。
こんな感じで、荒取りして仕上げます。
チューブの荒加工が終わりました。
この後、細かい傷を消したり、形状を整えていきます。
アイベルとパワーダイヤルも、形状を合わせて加工していきます。
最初はバトラーキャップで隠れるので、
接眼レンズアセンブリの形状はこのままでいいかな〜と思ったのですが
気に食わなかったので、後々加工しなおしました。
接眼レンズアセンブリを加工している時の写真です。
イルミネーションを進めていきます。
当初はダミーにしようと思いましたが、
やっぱり動いてナンボだろうと思って、ライブ化を目指しました。

ベースはTASCOのドットサイト BKRD42のダイヤルです。
ダイヤルにパテを盛って成型するので、
ネジを立ててアンカーにしています。
盛って
削ります。
次に、ダイヤルをスコープに取り付ける為の基部パーツを作ります。
どのラインで分割するか悩みましたが、
何とか形状を崩さず、稼動させることが出来ました。

真鍮の丸棒から削って作りました。
こんな感じになります。
ネジが通る穴やなにやらを空けて、完成です。
取り付け穴を開けます。
芯出しして、正確に穴を開けます。
基部取り付け用に、ナットをエポキシで埋め込みます。
ノブを取り付け、接眼ベルを仮組みした画像です。
次に、内部機構を進めていきます。
ノブ内部パーツに貫通穴を開け、延長ポールを取り付ける準備をします。
中繰りバイトで内径を仕上げます。
こんな感じで、エレベーション、ウィンデージ、サイドフォーカスノブに
延長ポールを取り付ける穴を開けます。
エレベーションノブを削っていきます。
アルミの素材が無かったので、今回もジュラコンです。
内径をがばっと削るので、荒取り用の中繰りバイトを作りました。
当初はダブルターンをダミーにしようと思って、
溝だけ掘って平パッキンでも埋め込もうと思ったのですが
やっぱりライブだよな〜と思い、急遽ライブに設計変更しました。
エレベーションノブ内部に納まるダブルターンのパーツを作ります。
稼動リングがスムーズに動くように、クリアランスを調整します。
稼動パーツと固定パーツを組み合わせると、こんな感じです。
エレベーションノブ内部をゴリゴリ削ります。
ここに、ダブルターンメカが入るようにします。
クリアランスを詰めていきます。
固定パーツ側ははめ込みにして、
稼動パーツはh7位の公差で動くように調整して行きます。
最終的に、こんな感じで収まります。
通常は、スプリングのテンションでダブルターンメカは
引っ込んだままですが、内部の稼動バーがエレベーション調整子と
リンクしていて、エレベーションを上げるとバーが上がり、
メカを押し上げて、、、
にょきっと飛び出します。
ノブの調整量は通常のTR-Xと同じなので、
回転に同期して少しずつ動く形になっています。
次に、ノブにローレットを施します。
うちにローレットを切る刃物が無く、新しく買うと結構な出費なので
モールドでスリットの入ったプラ板を巻いて、
でっち上げることにします。

今回使用したのは、エバーグリーンのメタルサイディングというプラ板です。
外周を計算で割り出して、プラスαを見越して切りそろえます。
難接着材料用のプライマーを使って、
ジュラコンに接着していきます。
いつの間にかウィンデージとサイドフォーカスが出来ているのは
ご愛嬌です。
繋ぎ目はパテで処理します。
いつの間にかイルミダイヤルも出来ているのはご愛(ry
ノブを取り付けるため、ノブの内部パーツにステンレスパイプで作った
延長ポールを取り付けます。
エレベーションには、ダブルターンとリンクするバーも入っています。
仮組みすると、こんな感じになります。
次は、パワーダイヤルの滑り止めを作ります。
ゴムの別パーツになっているので、これも現物通り
ゴムで作りたいと思います。

マスターを作って型を取り、ゴム素材を流し込む作戦で行きます。

まずはマスター作りです。細長い滑り止めパーツが沢山配置されているので
それの凸型を作ります。

S45Cの磨き棒に、モールドを彫って、そこにホットボンドを流し込んで
滑り止めパーツの凸パーツを作ります。
全部で30個作りました。
後はパテ盛り等で、マスター型を作っていきます。

シリコンで型を取ろうと思ったのですが、思いのほか高かったのと
地元で手に入らなかったので、石膏で型を取りました。
これが型です。落として割りました(笑)

これにゴム系素材を、、、と思ったのですが
いい材料が見つからず、この時点でアキュコンまで2日だったので
とりあえずホットボンドを流し込んで作ったのですが、、、
失敗作でした。

次回は材料をしっかり選定し、より良い物を作ります。
各パーツを塗装します。
使った塗料は、SOFT99のホイール用カラーのつや消しブラックです。
この時点でアキュコンまで20時間(爆)
本当は各部の刻印や文字はホワイトプリントしたかったのですが、
時間も無く、結局いつものシール作戦でした。

シールを貼った後、つや消しクリアでコーティングします。
暫定版ですが、出来上がり画像です。
刻印はUSMC採用モデルを元に、
側面にはPremier Reticlesのプリントも入れてみました。
ゴムパーツの出来がひどく、見るに絶えない状態です。

とりあえず、これでアキュコンに持っていってみました。
本物を並べてみた画像です。
離れれば何とか、、、と言う感じですが、
やはり細かいディテール等は異なっていました。
画像採寸とネット資料では限界な感じです。

気になる箇所や刻印等は、本物を色んなアングルから撮らせてもらったので
それらの資料を基に、更なるグレードアップを目指します!

つづく
2009.5.28 続きです。

悩みの種だったゴムパーツですが、
掲示板でエガワさんからシリコン型用のシリコンゴムを使えばいいよと
教えていただき、早速チャレンジしてみました。
(エガワさん、情報ありがとうございました!)

まずは、型を磨いて綺麗にしました。
スリットの長さや位置、数も微調整してあります。

割れた部分は盛ったりなんだりで修正してあります(笑)
今回使用したのは、模型店で売っていた
ウェーブのシリコーンゴムです。
硬化剤を適正量加えると、5〜6時間位で硬化する二液反応型のゴムです。
(完全硬化は12時間ほどかかります)
ゴゴゴゴゴ(笑)

よく攪拌して使います。
ゴゴゴゴゴ(爆)

気泡が入らないように丁寧にかき混ぜ、ゆっくり注ぎます。
完成写真は撮り忘れたのですが、さすが型用だけあって
綺麗に形をトレースしてくれました。

このままでは色が白すぎるので、本番では着色しました。
シリコーントナーと言う着色用の染料を入れるらしいのですが
売っている所が少なく、高いので代用品を探していると、、、

トナーってくらいだから、きっと粉だ

色が黒くて、粉末状の物を混ぜてみよう

昨日は七輪で焼肉(←奇跡的タイミング)

炭!

と言うことで、紙やすりで炭を粉末にして添加しました。
ばっちりうまく行きました(^^
各パーツも、アキュコン2009でX-FISHさんの実物を撮影させてもらった
画像を参考に、フォントの大きさや配置、解像度を見直しました。
そして最大の肝、イルミのライブ化です。
エッチングレティクルではなく、ワイヤーレティクルのイルミなので
原始的方法ですが、LEDの光をレティクルに直接投影する
初期のイルミ方式を取ります。

まずはエレクターチューブ後端にφ3mmのLEDが収まる穴と
配線の逃げ道を作ります。
倍率用のヘリコイドと干渉しないように、位置を決めます。
このように収めます。
絶縁はホットボンドで入念に行っています。
エレクターを組み込み、配線を引っ張り出します。
基盤をはんだ付けします。
内部にかなりの空きスペースがあるので、
このくらい長い配線でも余裕で収まってしまいます。
分解時にエレクターを引っ張り出し、LEDを外すので
配線は長めにしています。
こんな感じで、斜め左上に光源があります。
点灯させてみた画像です。
ちゃんとレティクルが光りました。

しかし、LEDがモロに視界に入ってしまっているので、、、
こんな感じで、黒く塗ったアルミテープを遮光版として
LEDに貼り付けます。
すると、こんな感じで光源が隠れて見えやすくなります。

ミルドットもTR-X規格から、10倍で正式な規格となる
ミルドットレティクルに入れ替えました。

後は、エレクターの押さえを組み込んで完了です。
組みあがったスコープです。
イルミの蓋も、前バージョンでは厚すぎたので薄くしました。

ゴムパーツは例の炭粉末配合シリコンゴムです。
アイベル側面はPREMIER RETICLES刻印とQRコードです。
QRコードは読み込むとガンジニアに飛ぶようにしたのですが、
縮小しすぎて結局読み取り不可能になってしまいました(笑)

刻印類が基本的にシール印刷なので、
どうしても塗装金属パーツと質感が異なってしまいますが
こんなもんかと妥協しています。
ノブ類のフォントの大きさや配置も微調整をかけました。
エレベーションノブです。
微妙〜にシールの継ぎ目がありますが、見なかったことに、、、(笑)

実物では1回転120クリックですが、これは半分の60クリックです。
なので、1回のクリックで2目盛り動きます。
サイドフォーカスももちろんライブです。
ベースがTR-Xなので、10mからでもしっかり視差が取れます。
やっとこさ完成したパチS&Bです。
しかし、まだマウントリングや銃側の問題も残っているので
少しずつ片付けていき、最終的な完成を目指します。

後ろ側のバトラーキャップを早く買わなくては(笑)