レンズのコーティング

コーティングと光の反射
光学機器を選定する点で重要なのが「レンズのコーティング」です。
スコープはもちろん、光学機器は必ず「レンズ」を使用しています。
このレンズで光を集めたり透過させたりする訳ですが、コーティング無しの場合、
表面でどうしても4%程の光が反射してしまいます。これが裏表で8%、スコープ等複数枚のレンズを組み合わせる機種では
全体の半分程度の光しか透過させることができなくなります。
これを解消する為に、レンズ表面に様々な化学物質を添加する事により光の透過率を向上させる
「コーティング」を施しています。
これにより、光の透過率を99%以上に持っていく事が可能となっています。
スコープは、用途に応じ、様々なコーティングがレンズに施されています。

レンズとは?
ガラス、プラスチック等でできた、碁石の様な楕円形をした部品の事です。
地中海周辺で古くから料理に使われていたレンズ豆に形が似ていることから、
「レンズ」と言う名前がついたとされています。

この光の表面反射を抑制し、透過率を上昇させる為に施されるのが「コーティング」です。
このコーティングを施すことにより、透過率を99.5%程に上昇させることができます。

フレアとゴースト
フレアとは、レンズ後方からの光がレンズ前方に映り込んでしまう現象で、
ゴーストとはレンズの裏面で反射した光がレンズ表面で再反射してしまう現象です。
レンズのコーティングが悪く、光の反射率が大きいとこのような現象も起きやすくなってきます。

レンズのコーティング、単層コート
レンズに様々な化学物質の層を作る事により、光の透過率を向上させる手法をコーティングと言います。
コーティングされたレンズは、コーティングした化学物質により様々な色合いを持ちます。
レンズは研削、研磨、洗浄後にコーティングへと回されます。
レンズにコーティングを施す方法は沢山ありますが、「蒸着」によるコーティングが一般的です。
コストも安く、光学機器一般に広く普及している様です。

レンズに1層だけこのコーティングを施した物を「単層コート」と呼びます。

マルチコート
マルチコートとは、異なる特性の単層コートを組み合わせる事により
光の透過率を向上させたコーティングの事です。
○○層マルチコート、等と表記される事が多いです。


 
左は対物レンズの裏表両面マルチコート(種類不明)、右は表側がルビーコートの写真です。

ライフルスコープのレンズ構成は、対物側が1枚、接眼側が2枚とチューブ内複数枚となっています。
それぞれを蛍光灯に当ててみると、対物側が色付き2個&白1個、接眼側が色付き4個&白1個蛍光灯が映って見えます。
(この白1個が何なのか、調査中です。この正体をご存知の方がいましたら、是非教えてください)

対物側は色付きがレンズの裏表のコーティング、接眼側はレンズ1枚目の裏表、2枚目の裏表となります。
上の写真(左)では、紫の蛍光灯が2個映っているので、対物レンズの裏表にマルチコートが施されている事になります。

マゼンダコート
スコープのみならず、一般的に広く普及しているコーティングです。
下手なマルチコートを凌ぐ物もあり、侮れない性能を持っているものがあるという事です。
 



写真左はHAKKO GE5077の対物レンズコーティング、右はTASCO OEM PTシリーズのコーティングです。
これらは両面グリーン系のマルチコーティングが施されています。


この他にも、紫系マルチコーティングのクラレットコート、高級機種に施される淡い青緑のシーグリーンコート等
様々な種類のコーティングが存在します。
各コーティングにより、見え味、解像度、明るさが微妙に変わってきます。