スコープのセッティング方法 取り付け編

スコープは、取り付けがしっかりしていないと
その能力を十分に発揮することができません。
ここでは、自分流のセッティング方法を紹介いたします。

セッティングの例に用いた物は、、、
銃本体 : M40XB AICS
スコープ : TASCO SPECTOR 6×42M
マウントベース : LEUPOLD QRW マウントベース
マウントリング TASCO 30mm用マウントリング 高さ9mm
まずは、マウントリングを上下に分解します。
ねじがしっかり締まるか、大きな傷や歪みが無いかも
チェックしておきます。
マウントリングの下部分をマウントベースに取り付けます。
マウントリングにはリングと一体で、固定されている爪と、
ねじを回せば締まっていく、稼動する爪がありますが、
固定された爪をリング前後共に、右なら右、左なら左と必ず揃えてください。

前後のリングの向きを互い違いにすると、リングのセンターが出ません。
写真のリングはコインで締めるタイプなので、10円玉を使って締めます。
あまり強く締めすぎると、外れなくなってしまうので
適度な力で締め付けます。

最近のタクティカルなマウントリングには、トルクスレンチ対応の
ロックナットを備え付けている物もあり、
締め付けるトルクを管理できるようになっています。

とことんこだわるも良しですが、
大抵は人間の「感」で用足ります(^^;
リングを締め付けたら、スコープをリングに乗せて
前後に動かしてみてください。
センターがきちんと出ていると、スコープはスムーズに前後します。

スムーズに動かない場合は、、、

・リングのセンターが出ていない
・リングの内径がスコープのチューブ径に対して合っていない
・マウントベースの芯ずれ、高さずれ

が考えられます。最近の安価な大陸製マウントリングは
精度が滅茶苦茶な物もあり、まともに使えないことがあります。
こういった事態に直面することは殆どありませんが、
ちょっとでも「?」と思ったら、無理に取り付けないでください。
最悪、スコープが破損してしまいます。
・リングのセンターが出ていない場合の対処方法
大抵は取り付けねじの締め具合で解決できますが、どうしても芯ずれが直らない場合は
リングを信頼のおけるメーカーの物に交換する、または対応径より少し小さい丸棒に紙やすりを巻いて
直径が対応径になるようにして、それをリング間で前後させ、ずれている部分を削り取ります。
また、マウントベースが歪んでいる場合も、同様の症状が起こります。
取り付け前に、マウントベースに潰れや歪みが無いか調べてください。

・リングの内径がチューブ径に対して合っていない場合の対処方法
大陸製マウントリングに良くあるトラブルです。特に、KING ARMSのLEUPOLDタイプマウントリングは、
ほぼ確実に大きさが合っていません。他にも何種類か、大陸製レプリカスコープに付属してきたマウントリングで確認しました。
内径が合っていない場合、スコープを乗せると、マウントリングとチューブの間に隙間ができる( チューブ径 > リング内径 )か、
スコープが左右にガタガタする( リング内径 > チューブ外径 )かのどちらかです。
前者はセンターが出ていない場合と同じく、紙やすりを丸棒に巻いてチューブ径と同じくし、削ります。
後者はチューブにコピー用紙や厚紙を巻けばOKです。ビニールテープは歪みが酷く、暑くなると溶けるのでNGです。

・マウントベースの芯ずれ、高さずれの対処方法
一体型マウントベースを使っている場合は殆どありませんが、写真のAICSの様に
2ピース型のマウントベースを使っている場合は、取り付けミスで起こる可能性があります。
水平、垂直を見るには道具と知識が必要なので、取り付けに自信が無ければ、得意な人にお願いするのが一番です。
これで、マウントリングの本体への取り付けは終わりました。

この後、銃の水平出しを行います。
エアソフトガンの場合、ホップアップ機構のせいで
僅かに水平軸がずれると、弾道が左右に大きくずれます。

まず、銃を固定でき、左右の傾きが微調整できる物を用意します。
お勧めは、銃が左右にスイングでき、スイングのロック機構も備える
ハリスバイポッドの首振りタイプ(レプリカも可)です。

弾を撃ちながら、弾道が真っ直ぐになるポイントを探し、
その角度で銃を固定します。
なるべく屋外、そして遠距離射撃で調整するのがポイントです。
風の無い日を選ばないと、風で弾道がずれて、
調整の収集がつかなくなります。
銃の固定が終わったら、スコープをリングに乗せます。
リングの上部分を被せ、スコープが動くくらいに仮締めします。
目が充血してて恥ずかしいので、目線を入れます(笑)

自分が構えて、適正なアイリリーフ位置になるように
スコープを前後させます。

ベースに複数の溝がある場合、最初に適正なアイリリーフになる
位置を探しておき、そこにリングを取り付けるようにします。
リングの間隔は、チューブの前後、それぞれ真ん中位に来るようにします。
アイリリーフを確認したら、次は視度調整を行います。
これは、覗く人の視力に合わせて、レティクルをはっきり表示させる為の物です。
これを行わないと、レティクルがぼやけて見える場合があります。
特に、コンタクトレンズやメガネをかけている人は要注意です。

写真のスコープは、接眼ベルを丸ごと回して前後させ、
視度調整を行います。

この時、真っ白い壁や紙をスコープで覗きながら行ってください。
景色を覗きながら視度調整を行うと、
人間の目は景色にピントを合わせたがり、レティクルと目のピントが合わなくなります。
レティクルのみが見える環境を作り出して行ってください。
写真のように、スピードフォーカスタイプならば、視度調整は簡単です。
レティクルがぼやけないで見えればOKです。
(写真のレティクルは、SPECTORではなく、軍艦スコープの物です)
次に、スコープの視界内に映る場所に、水平垂直の分かる物を置いてきます。

写真はレーザーレベルで、レーザーによって水平、垂直な線を照射します。
大分価格が安くなり、今ではホームセンターの工具売り場で¥2000も出せば
購入可能です。
こんな感じで、レーザーのラインを照射できます。
写真は室内ですが、実際は屋外、もしくは室内ロングレンジで調整を行います。

あまり距離が近いと、ピントが合わなくなる為、最低20〜30m離れた場所に
水平、垂直の指標物を置いてください。

レーザーレベルを用いなくても、オモリをつけた糸を
木の枝等から吊り下げると、必ず垂直なラインになるので、それを利用するのもOKです。
電柱や建物の柱は、意外と水平垂直が出ていないので、お勧めできません。

これらのラインに、スコープのクロスヘアをあわせます。
次に、リングを締め付けます。
締めるつける際は、対角線上のねじを少しずつ締めるようにします。
こうすると、締め付けの力が偏りにくくなります。

また、締め付けたときに、スコープがリングに引っ張られて傾くことがあります。
常に、スコープを覗きながら、ズレをチェックします。
さらに、リングの隙間が左右で同じくらいになるように調整しながら締めます。

全箇所、しっかり締め終わったら、スコープの取り付けは完了です。
次はゼロイン作業に移行します。