バイポッド比較

スナイパーライフルに付き物と行っていいほどよく見かける物に、
バイポッドが有ります。
バイポッドは射撃時に展開する事により銃を安定させたり、
銃を保管する際にスタンドとして使用する物です。

現在流通している汎用バイポッドはハリス、ヴェルサタイプが殆どで、
後は各々の銃に組み込まれていたりと専用品が殆どです。

←のバイポッドはハリス製で、首振り機能無しのSタイプです。
ハリスはスプリングにより足を1本ずつ独立稼動させるタイプで、
アメリカで人気のあるタイプです。
非常に強固に固定でき、ストッパーダイヤルを使用する事により
足を無段階で好きなポジションに伸ばす事もできます。
写真中央のスプリングが、足を固定する為のスプリングです。
強固に固定する為、スプリングはかなり強い物が使用されています。

このスプリングが意外とネックで、射撃時に一定以上の反動があれば
このスプリングが一緒に振動してしまい、振動増幅器となってしまいます。
また、非常に錆びやすい為、こまめに掃除する必要があります。
足先はゴムになっています。

足が強固に固定されているが故の弱点ですが、
銃を構えて左右に振ると、ゴムがある程度変形して力を溜め込みます。
力を溜めたまま構えていると、ゴムが元の形に戻ろうとして
無意識のうちに銃が左右に動いている事があります。

このタイプのバイポッドとして市販されている物は
・ハリス(足固定タイプ、首振りタイプ有り)
・ライラクス(首振りタイプ)
・コクサイ パワーハウス(足固定)
の3種類です。価格と耐久性はハリスが飛びぬけて高く、
パワーハウスは安価な代わりに耐久性が有りません。
次はヴェルサタイプのバイポッドです。
このタイプはヴェルサの名称で広く知られていますが、
本家はパーカーホールで、ヴェルサはその類似品です。
(更にヴェルサの類似品が広く出回っています)

ヴェルサは欧米で広く使用されており、モノポッドを使った
3点支持を好んで使用しています。

このタイプで市販されている物は
・パーカーホール
・ヴェルサ
・マルイ バイポッド
・サムライ ヴェルサタイプバイポッド
等、多くのメーカーがあります。
パーカーホールはオールスチールの為、重量、強度が飛びぬけて高いです。
右からパーカーホール、ヴェルサ、サムライヴェルサタイプです。

足先はゴムとスキータイプの2種類があり、
ゴムは屋内等の地面がしっかりした場所向けで、
スキータイプは屋外の不整地向きです。
ヴェルサ最大の特徴は、その稼動範囲の広さです。
バイポッド自体の左右旋回、前後、ボールジョイント部のツイストが可能です。
銃口で円を描くような動作が可能なほどです。
射撃時、前に突っ張る様に保持し、形を固定します。

この為、不整地に非常に強く、射撃場所を選びません。
しかし、このフレキシブルさ故に銃を完全固定するのが難しく、
最初は扱いかたに戸惑います。

また、銃を置く時にスタンドとして使用すると、高確立で銃が転びます(笑)
ヴェルサの弱点その2、高さです。
ヴェルサはアダプタを介して取り付ける構造が故に
ハリスと比べてバイポッドが上下に大きくなってしまいます。
銃によっては射撃姿勢に支障が出るほどに影響が出てしまうので、
使用する銃を選ぶバイポッドだと言えます。

写真の様にM24に取り付けた場合、私はバイポッドの足が長すぎて
構えるのに一苦労です。
L96等は、ストック先端部にバイポッドアダプタを取り付けており、
少しでも全高が低くなるように工夫されています。
ハリスとヴェルサ、それぞれに長所短所が有り、一概にどちらが良いというのは言い切る事が出来ません。
しかし、依託射撃にとっては非常に重要なファクターを占めるアイテムでも有りますので、
じっくり選択する必要があると感じます。
とりあえずバイポッド付きの銃を構えさせてもらうのが一番でしょう。
もちろん、自分の銃に似合う方を選択すると言うのも有りです(^^