フォートレス McMillan A4ストック レストア大作戦

M40A3を作ろう!と、部品を模索していたところ、
某オークションで破損したフォートレス McMillan A4ストックレプリカが
格安で出品されていたので落札してみました。

これをベースに補修、グレードアップをしていきたいと思います。
破損箇所はボルトハンドル切り欠き部分の断裂とトリガーガード破損です。
倒した際、割れてしまったようです。

瞬間接着剤でくっつけ、ステンレスのステーで補強された状態で届きました。
まずはここを補修したいと思います。

今回は青森組のストック職人、F井さん全面協力の下、
補修作業を行ってもらいました(私は撮影w)

F井さん、ありがとうございました!
まずはステーを外します。
断裂部分をそのままにすると、また割れてしまうので
「ヒートワイヤー」と呼ばれるバンパー補修用の器具を使い、
補修してもらいました。
これは電極(ステンレスワイヤー)を熱し、樹脂部分を溶かして埋め込んで
芯金とする補修器具です。
断裂部分に十分入り込むように、じっくりワイヤーを埋め込んでいきます。
この素材、表面はなかなか溶けないのですが
一旦表面が溶けると中まですぐに入っていきます。
合計6本の芯金を埋め込んでもらいました。
これで、断裂部分は内部からホチキスで止めたような感じになっています。

はみ出したワイヤーを、大まかにニッパーでカットしていきます。
エアーサンダーではみ出したワイヤーと、
盛られた瞬間接着剤の跡を削っていきます。
少し凹み気味に削り取りました。
ここに、2液性ウレタン樹脂接着剤「MEGMIX」を充填、盛り付けしていきます。
これも車の樹脂部品補修用の接着剤で、
専用のガンとノズル、接着剤の3点セットで使用します。

これを削った部分や入り込んだワイヤー部分に盛り付けていきます。
多めに盛り付けて、後で成形していきます。

この接着剤、一見ポリパテの様に見えるのですが
完全硬化した時の強度が半端ではなく、猛烈な接着力です。
エポキシ接着剤の超強力版といった感じです。
完全硬化すると、カチカチに硬くなります。

これで、断裂部分の補修は完了です。
叩いても振り回してもびくともしなくなりました。
F井さん、本当に感謝です!

次は、トリガーガード周りの加工を進めて行きたいと思います。

続く、、、
11月24日の作業

ストックの補修が完了しましたので、グレードアップ作業に移行したいと思います。
今回の目標でもある「トリガーガードを別パーツで」を実現するために、
タナカM24用のトリガーガードを移植します。

タナカM24のトリガーガードはダコタタイプで、M40A3に装着されている
DD.ROSSやBadgerのマガジンタイプとは違う形状ですが、
タナカのトリガーガードをベースにこれらを製作するので、
まずはタナカのトリガーガードを装着できるようにします。
まずは、トリガーガードをストックに合わせ、罫書きを行います。
ベディングスクリューは後ろの方を基準とし、前はトリガーガードに合わせて
レシーバー側を加工します。
罫書きに合わせて、ドリルでどんどん穴を開けていきます。
罫書き線からはみ出さないように、慎重に行います。
ペンチや金鋸を用いて、余分な部分を除去していきます。
次に、彫刻刀で、穴をトリガーガードの形状に整形していきます。
実ストックはおそらく硬すぎてできないと思いますが、
フォートレス McMillan A4ストックならばサクサク削れていきます。

トリガーガードの後方が収まる部分は、
今回購入したときから少し加工されていたので、そこを形状に合わせて
広げる方向で対処できました。
少し隙間が開いてしまったので、ポリパテを用いて隙間埋めを行いました。
強度を重視するならばMEGMIXを用いるべきなのですが、この後、ストック全体を
グラスファイバーでコーティングする予定なので、
成型の簡単なポリパテを用いました。
完全硬化した後、余分な部分を削り落として成型した画像です。
タナカのトリガーガードがすっきり収まりました。
次は、トリガーガードの加工と給弾メカを考えて行きたいと思います。

* 一口メモ M40A3とMcMillan A4ストック *

よく混同されがちなのですが、M40A3に用いられているのは、
「McMillan A4」ストックで、「McMillan A3」ストックではありません。
M40A3の「A3」と、ストックの型番の「A4」がごっちゃになってしまいがちです。
ちなみに、M40A4に使用されているのは、McMillan A5ストックです。
M40A2に使用されていたのは、McMillan A3ストックになります。
11月25日の作業

ストックが一段落着いたので、レシーバーとマウントベースの加工を進めました。

ベースになるのはマルイVSRのレシーバーで、後部をフラットに削って
クリップスロット部分もそれっぽく(笑)削ります。
次に、DD.ROSSタイプマウントベースの製作を進めます。
ベースになるのはKTW M70BSのマウントベースです。

レシーバー後部の形状と高さに合わせて、マウントベース後部も削ります。
クリップスロット部分とかみ合う部分も忘れずに製作します。
こんな感じでかみ合います。
エジェクションポートの拡張もそれっぽく行ってみました。

その部分に合わせて、マウントベースのゲタ部分も長さを合わせておきます。
前方も長さをあわせ、こんな感じになります。
後は前方のクリップスロット部分をパテで成型して、
マウントベースのねじ穴を開けなおして完成です。

レシーバー側は、これからサイドのボルトストップ部分の新設と
リコイルラグ部分を再現するために、レシーバーをそれっぽく削る作業に入ります。
11月27日の作業

前回加工し忘れていた、レシーバー前方の切り欠きを加工しました。
ここにマウントベースの足が入り込みます。

マウントベース取り付け用のねじも新設してあります。
マウントベースの足部分の成型です。
主にパテで成型し、装着したときにガタが出ないようにタイトに作ります。
仮組みすると、こんな感じです。
ダミーのリコイルラグも削って再現してみたのですが、
やはりVSRのノーマルバレルが細くて、かなりの段差になってしまいました。

社外品でM40サイズのテーパードブルバレルは出ていませんし、
サンプロM40A1のバレルもねじ規格が同じで、つくことはつくのですが
VSRのチャンバーを収めようとすると大加工が必要となるので
どうしようか悩んでいます。
レシーバー側面に、ダミーボルトリリースもつけてみました。
写真はダミーボルトリリースが収まる部分です。
よく見ると、レシーバーの一部が欠けています(笑)

本当は、この溝はレシーバー中央に来るのですが、
レシーバーがストックに潜り込む深さなどを考慮し、
ギリギリまでストックに近づけてもこの位置になってしまいました。
ダミーボルトリリースは、手持ちに厚いアルミ板がなかったので
2ピースで製作してみました。

角のRは手削りです(笑)
装着すると、こんな感じです。
やはり、位置が上にずれたせいで、妙な段差が残っています。

もうちょっと前方に長い方が、格好よかったです。
無駄に動きます。
待ちきれなくなって、偽Unertlを乗せてみました。
バレルを何とかして、いらない刻印を埋めて仕上げれば
レシーバー周りの加工は一段落です。

次はバレルと給弾機構周りを作っていこうと思います。
11月30日の作業

VSRの純正アウターバレルでは細いので、
純正アウターバレルベースにブルバレルを作ってみました。

写真の緑色のバレルは、サンプロM40A1のバレルです。
これに比べると、長さも微妙〜に足りていないことがわかりますorz
純正バレルに、直径0.9mmの「はんだ」をびっしり巻きつけ、
巻きパイプの要領で径を太らせています。

このままではほつれてしまうので、瞬間接着剤を
満遍なく染み込ませて固定しています。

釣竿の補修なんかで、タコ糸を用いて行われる手法です。
表面に微妙な凹凸があるので、ラッカーパテを塗布して埋めます。
これで研磨した状態で、サンプロM40A1のバレルより
ほんの少しだけ細い状態に仕上がります。

このままでは衝撃に弱く、すぐ潰れてしまうので、
最終的に高硬度のエポキシ樹脂をコーティングして
完成予定です。
2009.2.27

仕事の繁忙期をはさんで、年越しでの更新となりました。

VSRベースで製作していましたが、中途半端なフォルムで作るのもな〜と思い、
思い切ってタナカアクションベースに方向転換しました(爆)

現在、テナーさんのAICSのアクションを借りていますが、
このフォルムをベースに

・アウターバレルをテーパードブルに変更
・ボルトストップを新設(完全ライブ化)
・トリガーガードをBadger A5タイプに変更
・前回製作したDD.ROSSタイプをレシーバーに搭載
・マガジン形状を成型し直し&NLSシステム設計
・チャンバーを新規設計&オートPCSの再設計

と言った感じで、実射性能も現行30mで通用するレベルを目指し、
あわよくば100mm切れる位のレベルまで持っていけることを目標とします。

*2009.6.9*
M40A3をフィールドでよく目撃するようになり、
「あまり個性が無いような気がする」と言う事で、製作を中止することにしました。
レストアしたストックは、別な機種製作に使用します。