McMillan A4 Tactical Sniper Stock

PMさんに取材させていただきました。
PMさん、ありがとうございました。

アメリカのストックメーカー McMillanが製造している
A4 Tactical Sniper Stockです。

同モデルは米海兵隊のM40A3をはじめ、様々なタクティカル系ライフルに使用されており
日本国内でもかなりの知名度を持つストックです。
A4ストックの特徴とも言えるのがこのグリップで、一般的なバーミントタイプストックと違い
ピストルグリップの様にアングルがきつくなっています。

この形状のほうが銃を体に引き寄せやすく、保持が確実となります。
また、手首の角度が自然なものとなりリラックスした体勢で射撃することができます。
反面、速射性ではバーミントタイプのグリップのほうが優れています。

グリップのシボ加工は深く、かなりの滑り止め効果があります。
フォアエンド側面にも、同様の滑り止めが施されています。
今ではおなじみとなったQDアタッチメントが装着されています。
この個体では、下面の前後に2箇所設けられています。

このQDアタッチメントやスイベルスタッドはMcMillan側に注文することで
追加加工してもらうことが可能です。

ちなみに海兵隊仕様はQDアタッチメントが前後左右に合計4箇所、
スイベルスタッドが1箇所となっています。
グリップ部分底には、モデル名と色が分かるようにステッカーが貼られています。
既にトリガーガード部分のインレイ加工が施されています。
アクションはRemingtonのショートアクションですが、
トリガーガードはどこの物でインレイ指定したのかは不明です。
DD.ROSSのトリガーガードは形状が違い、装着できませんでした。
ボルトハンドル部分は手作業で仕上げられています。
チークピースはサイドのネジ2本で上下に無段階調整でき、
LOP(Length Of Pull)はバットプレートに噛ませるスペーサーの枚数で
調整が可能になっています。
小さいですが、中央に「McMillan」の文字が入っています。
バットプレートはゴム製で、網目の様なモールドが入っています。
チークピースの写真です。
上がフォートレス製レプリカ、下が実物です。

実物はアルミで製作したものの上にラバーコーティングを施しています。
レプリカはプラです。
レプリカストックに実物は装着可能でした(笑)
その逆もOKでした(爆)
中央のピラーはアルミで、ネジで強く抑えても大丈夫です。
ストック側にもアルミ製のピラーが埋め込まれています。

中には大量の切り粉が、、、(汗)
インレイ加工の画像です。

McMillanのストックは左右に分かれた型にグラスファイバーの切れ端を貼っていき、
それを合わせ、硬化させて中身が空の「シェル」を作ります。
それに各種コンパウンド(パテ)を充填してソリッド形状とする手法を取っています。

詳しい製作風景は、Gun誌付属のDVD Vol.15をご参考ください。
面白かったのが前後で充填するコンパウンドを変えている事です。

ベディングエリアには繊維の荒いFRPの様なコンパウンドを、
バレル下部にはマーブル模様の繊維っ気が無いコンパウンドを使用しています。
インレイ加工はNCによって行われます。
最終的なベディングは人の手によって行われます。
いわば「荒加工」の様な感じです。
H-S Precision PST013のロングアクション用インレイ加工と比較した画像です。
レプリカと2ショットです。
レプリカもうまく形状をコピーしていると感じました。

ただ、そのままストックを型取りしたせいか
成型時の樹脂の収縮で実物より一回り小さくなってしまっています。

現在、輸出規制が厳しくなったことで
日本国内には殆ど入ってこない貴重なストックとなりました。

アメリカ国内での販売価格は$498〜