精密BB弾の実態2008年度版

今年もやってまいりました、精密BB弾の実態検証(笑)
今年は最も入手製の良いマルゼンスーパーグランドマスターBB弾0.29g(20年7月ロット、以下SGM弾)、KSC グランドチャンピオンBB弾0.29g(2008年8月購入品 以下GC弾)、
そして彗星のごとく登場したマックジャパン クリーンヒッターBB弾0.25g(2008年8月購入品 以下CH弾)を検証していきたいと思います。
まずは、SGM弾、GC弾を割ってみた画像です。上がSGM弾、下がGC弾です。
両方とも、素材はユリア樹脂と言う耐熱樹脂の一種で、剛性が高く射出成型の収縮が少ないのが特徴です。
非常に硬く、割るのに一苦労でした。

両方とも10発ずつ割った限りでは、気泡は皆無でした。
続いて、CH弾を割ってみました。表面は比較的硬いのですが、中は柔らかく、簡単に割れてしまいます。
内部は色がまだらで、材料が均一に充填されていないのが一発で分かります。

続いて、外径と重量の測定を行います。今回の為に、0.001gまで±0.1%で測定できる電子天秤を購入しました。
測定条件はマイクロメータ、電子天秤共に室温23℃、湿度52%で行いました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 最大値 最小値 高低差
外径(mm) 5.977 5.972 5.973 5.965 5.980 5.969 5.974 5.972 5.973 5.981 5.981 5.965 0.016
重量(g) 0.290 0.290 0.291 0.294 0.291 0.290 0.292 0.291 0.293 0.289 0.294 0.289 0.005

まずはSGM弾のデータです。相変わらず外径が大きく、殆ど公差から外れています。
重量はほぼ公証値通りですが、面白いのが外径と重量の関係です。外径が0.01mm小さくても大きくても、殆ど重量が変わっていません。
これは、BB弾の密度がばらばらと言うことを示しています。
外径がばらついているのに重量が同じ、と言うことは、その影響が飛距離、弾道に如実に現れると言うことになります。
現に、SGM弾は30mチャレンジではフライヤー続発と言う事態に陥っています。
弾の表面がザラザラしており、パッキンに引っかかりやすい特製が悪影響を及ぼし、弾の精度の荒さが見事に弾道に現れます。

一時期よりは良くなっていますが、ちゃんと改善する気は無いのでしょうか?
これでは、1発3円払う価値は無いです。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 最大値 最小値 高低差
外径(mm) 5.950 5.944 5.940 5.937 5.919 5.937 5.949 5.945 5.960 5.943 5.960 5.919 0.041
重量(g) 0.283 0.284 0.282 0.279 0.279 0.283 0.285 0.282 0.285 0.282 0.285 0.279 0.006

こちらはGC弾のデータです。
もう、見て分かる通り、お話にならない外径精度の弾です。重量も公証値の0.29gに0.01g足りていません。
こちらもSGM弾同様、密度がバラバラで、外径が0.04mm違っても重量は殆ど同じと言う異常事態が起きています。
こちらも30mチャレンジではフライヤーが続発し、銃の性能が悪いのか弾が悪いのか錯覚させてしまう程の酷さです。
こちらも表面がザラザラしており、ホップの係りはいいのですが、それが悪影響を及ぼし、イレギュラー回転が多発します。

こちらも、1発3円の弾とは到底思えません。ファーストロットが良かっただけで、完全にSGM弾の二の舞となっています。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 最大値 最小値 高低差
外径(mm) 5.909 5.916 5.924 5.903 5.914 5.899 5.909 5.910 5.909 5.905 5.924 5.899 0.025
重量(g) 0.246 0.252 0.241 0.260 0.245 0.237 0.255 0.238 0.251 0.241 0.260 0.237 0.023

こちらはCH弾のデータです。
外径公差が5.96mm±0.01mmとなっていますが、ご覧の通り、公差に入る気配すらありません。
重量も非常にばらついており、高低差はなんと0.023gもあります。
割った画像を良く見ると、色がまだらになっているのですが。材料の不均一さがモロに出た結果となりました。

実際撃ってみると、確かに遠距離までよく飛んでいきますが、グルーピングは滅茶苦茶で、30mで、どフライヤーが出てA3サイズを余裕で外します。
何発か手にとって見たところ、表面が剥がれ落ちた様な粗悪弾が出てきました。品質管理もあまり良くないようです。

こちらは1発2円と、SGM、GCに比べると安価ですが、それでもこの品質を見ると、高すぎる感じがします。
総評

今回、身近に手に入る3種類をテストしてみましたが、どれもまともに使える品質ではなく、
実質、精密重量弾ではなく、ただの重量弾として成り下がっています。
品質低下は何年も前から叫ばれており、ユーザーも改善を望んできたはずなのですが
それがまったく生かされていない事態に陥っています。

ましてや、精密射撃競技を主催する立場であるマルゼンのBB弾がこれでは、本当にやる気があるのかと言いたくなります。
奇跡の品質と性能を誇っていたマルイSPG弾は既に枯渇状態で、選択肢がこれしか無いとなると、
下手をすると精密射撃ファンが離れていってしまいます。

ある意味、「危機的状況」にあると言っても過言ではありません。弾はユーザーが手を出しにくいファクターです。
メーカーには、もっと危機感を持って製造、品質管理に臨んでもらいたいものです。