ライフルストックのベディング作業

実銃の世界では必須とされる作業ですが、エアソフトガンでは
意外と重要視されていないのがベディング作業です。

ベディング作業とは、アクションとストックの結合を見直し、
双方の結合をより強固にし、ガタを無くする作業の事です。
アクションは基本的に円柱形の為、ストックもそれに応じた大きさのR形状に
なっていなくてはなりません。

この形状が合っていないと、アクションとストックが「面」ではなく「線、点」で接してしまうので
取り付け時にガタが生じ、射撃に支障をきたします。
特にカスタムストックを取り付ける場合に問題となってきます。
エアソフトガンでも同じことが言えます。

今回は処理が簡単で、コストも安いパテを用いた方法をエアソフトガンに応用します。
エアソフトガン用のストックは、射出成型もしくはキャストで製造された物が殆どで
とりあえず組み込めるものの、ガタガタ、不安定と言う事が多いです。
そこで、隙間にパテを充填してストックとアクションのガタを取り、
安定した取り付けを行います。

まずは何処にパテを充填するかを見極めます。
写真はフォートレスTANGO51ストック改で、アクションはサンプロの旧M40A1です。
素組みしてベディングスクリューを締めると、ストックがしなります。
バレル方面でストックと接している部分が少なく、ベディングスクリュー部分が
空洞なので、ここにたわみが発生します。

今回は前方ベディングスクリュー部分、マガジンキャッチ後方の隙間の2箇所に
パテベディングを行います。
まずはアクションの該当部分にたっぷりシリコンオイルを吹きます。
これは剥離剤で、アクションにまでパテがついてしまうと
ストックと接着されてしまうので、アクション側だけパテがつかないようにします。
次に、該当部分にパテを盛ります。
今回用いたのはSOFT99のバンパー補修用ポリパテで、
硬化剤を混ぜて化学反応硬化させるタイプです。ホームセンターで売っています。
本来はデブコンの低粘度タイプを使用するのが好ましいのですが
入手製、価格に難があるので、市販のポリパテを流用します。

エポキシパテも強度があって良いのですが、粘度があり、変形しにくいので
アクションの形状をうまくトレースできない欠点があります。
ポリパテは強度こそエポキシに敵いませんが、粘度も程よく強度もそこそこ、
硬化後の寸法収縮が少ないので、意外と適しています。

あまり盛りすぎると、はみ出したり、変な所にパテが回ってしまうので
適度な量を盛り付けます。
パテが硬化しないうちにアクションを取り付けます。
この時、アクションに押されたパテが若干広がる位に盛り付けるのが理想です。
アクションがきちんとストックに収まらない場合、盛り付けすぎです。
足りなければ硬化後、再度盛り付ければ良いので
少なめで様子を見るのも良いと思います。

しっかり取り付けを行い、硬化を待ちます。
硬化後、アクションを取り外すとこのようになっています。
アクションのRをきちんとトレースしており、組み込み時のガタの無さは
ベディング前と後では雲泥の差です。
撃ってみると、振動の減少と安定感に気がつくと思います。

ベディングがしっかりしていないと、撃つ度、構える度にストックとアクションの角度が変わったり
レスト有り無しでアクションにかかるストレスが変わります。
剛性の低いエアガンでは、ストックのしなりをモロに受けて、着弾点が変化してしまいます。
常にアクションを一定の状態に保つ、と言う点で、ベディング作業は重要となります。