ストック比較 VSR-10 M24 A.I.C.S編

ボルトアクションライフルで射撃をするに当たって、
重要になってくるのがストックです。
アクションと人間の仲介役とも言える部位で、
形状、機能共に様々な物が市場に流通しています。

今回はVSR-10、タナカM24、A.I.C.Sのストックを比較しながら見てみます。
写真はタナカ M24ストックに迷彩塗装を施した物です。
実物はH-Sプレシジョン社製のファイバーグラスストックですが
タナカの物は内部をエアガン用にアレンジしたレプリカ品です。

アジャスト可能なバットプレートにバイポッド、スリングスイベルが
取り付け可能な汎用アタッチメントが前後合計3ヶ所備わっています。
レプリカ品とは言え、肉厚があり、非常に重厚な作りになっています。
エアソフトガンのアクションが乗るので、
ストック前方はスカスカ、ベティングブロックの類もありません。
ストック先端部の写真です。
本当は2ヶ所に汎用アタッチメントがあるのですが、
前1ヶ所を外してあります。

ここにスリングスイベルやバイポッド等を取り付けられます。
ストック後部にもアタッチメントが1ヶ所あります。

バットプレートは無段階調整が可能で、
中央のねじを回すことによって前後に伸縮させることが出来ます。
最後部まで伸ばした画像です。
調整幅は大きく、射手の体格に合わせて調整できます。
グリップ部をVSR-10のストックと比較した写真です。
M24のストックはグリップ部が卵形に盛り上がっており、
グリップ角度もVSR-10に比べて直角に近くなっています。

対してVSR-10のグリップはスマートで
手の小さな人にも握りやすく出来ています。
VSR-10ストックとM24ストックを、エジェクションポートを中心にして
比較した画像です。
こうして見ると、グリップ角度やストックの長さが良く分かります。

グリップ角度が直角に近いと、射撃時に自然な手首の角度で
グリップを保持できる為、長時間構えていても疲れにくく
確実なグリッピングが出来ます。

一方、角度が寝ているとボルトハンドル操作がしやすく、
ボルトハンドルを戻した手をそのまま自然な流れで
グリップに持っていくことが出来ます。どちらかと言うと速射向きです。

この辺りは個人の好みとなり、グリップを削ったりパテ盛りしたりして
好みの角度に調整している方を良く見かけます。
下から見た画像です。
M24ストックのゴツさが見て取れます。

動作方式の違いがある為、ストック形状が大きく異なります。

こちらはタナカ A.I.C.Sのストックです。
アキュラシーインターナショナル社のA.I.C.Sのレプリカで、
実物同様金属インナーにプラスチックパネルのモナカ構造になっています。

実物のインナーがアルミに対し、タナカは亜鉛合金なので
妙に重量があります。
グリップ角度はほぼ垂直で、ピストルグリップに近い形です。
サムホール形状もあり、射撃時の安定性は抜群ですが
速射性はVSR-10、M24ストックに比べて大きく劣ります。

また、ストックの材質が滑りやすかったので
私は写真のように工具の滑り止めバンドを巻いています。
バットプレートはスペーサーの枚数を調整することにより
長さを調整でき、チークパッドも上下に無段階調整できます。

ストック下部の出っ張りは、プローン時に左手を添える場所です。
基本的にプローン中心の構造になっており、
立射はマガジンが邪魔になり、非常に構えづらいです。
ストック内部はこんな感じです。
金属インナーが入っている為、剛性は凄まじいのですが
樹脂ストックに比べて重量は相当あります。

A.I.C.Sはストック形状に出っ張りが多く、
担いで屋外を這いずり回るにはあまり向いていません。
どちらかと言うと競技色の強いストックです。
左からA.I.C.S、VSR-10、M24の内部比較です。
A.I.C.SはM40のアクションを搭載する為、パテでベティング部分を作っています。

多機種のアクション移植のやり易さ見ると、
樹脂ストックの方が金属インナーストックより加工は簡単です。
エアソフトガンの場合、マガジン位置が一番の問題となり、
APS-2、VSR-10、サンプロはストック前方にマガジン穴を開ける
必要があり、マガジンキャッチも移植しなくてはなりません。

好みのストックに好みのアクションを乗せるのは、一筋縄では行きませんが
作り上げた時の喜びと使いやすさは、何とも言いがたい物があります。