特殊形状バレル トライアル
2012.5.2

昨今、内径やバレル窓形状を変えただけではなく
様々なアイディアを盛り込んだ、特殊な形状のバレルが多く見られる様になってきました。

当たる当たらない、驚異的な性能だとかそうでもないとか、
ネット上では様々な議論が飛び交っています。

そこで、とある方の協力を得て、様々な形状のバレルを
30mチャレンジ形式でトライアルしてみる事となりました。

チャレンジ日は2012.4.22でしたが、アキュコンのドタバタでアップが遅くなりました。
エントリーNo.1 東京マルイ ノーマルバレル

材質 : 真鍮
仕上げ : 地肌
全長 : 363mm
外径 : 8.545mm (チャンバー側をデジタルマイクロメータで測定)
内径 : 6.075mm (チャンバー側を内径マイクロメータで測定)
特徴 : 特になし
価格 : \4043 (M4A1用スペアパーツ価格)

最もスタンダードな、マルイのノーマルバレルです。
今回は全てのサイズをM4A1用(363〜364mm)で統一しています。
エントリーNo.2 ACE技研 参式滑空銃身 M4A1/SIG551/SR-16/XM177用

材質 : 真鍮 + ステンレス? スチール?(僅かながら磁性体)
仕上げ : 地肌
全長 : 364mm
外径 : 8.551mm (チャンバー側をデジタルマイクロメータで測定)
内径 : 6.068mm (チャンバー側を内径マイクロメータで測定)
特徴 : BB弾保持用のチップを装着
価格 : \6300
パッケージ付属 取扱説明書
メーカURL
ACE技研が販売しているバレルで、ホップ窓直下に
BB弾をやや持ち上げて保持するチップが装着されています。

隙間均一化〜を謳っていますが、効果の程はいかに、、、
エントリーNo.3 タニオコバ ツイストバレル XM177用

材質 : 真鍮
仕上げ : メッキ仕上げ
全長 : 364mm
外径 : 8.500mm (チャンバー側をデジタルマイクロメータで測定)
内径 : 6.051mm〜6.112mm (チャンバー側を内径マイクロメータで測定)
特徴 : ライフリング溝あり
価格 : \6090
パッケージ付属 取扱説明書
メーカURL
タニオコバが販売しているバレルで、ライフリング風の溝が入っています。
ホップ窓の深さが他のバレルより0.5mmほど浅く、
パッキンの突き出しが小さいのが特徴です。

マグナス揚力とジャイロスピン効果のコラボレーションは
グルーピングにどのような影響を与えるのでしょうか?
エントリーNo.4 ORGA 363mm Magunusバレル

材質 : 真鍮
仕上げ : 地肌
全長 : 363.5mm
外径 : 8.476mm (チャンバー側をデジタルマイクロメータで測定)
内径 : 6.265mm (チャンバー側を内径マイクロメータで測定)
特徴 : ホップパッキンを90°傾けて取り付け可能
価格 : \5760
パッケージ付属 取扱説明書
メーカURL
ORGAが販売しているバレルで、ホップパッキンを90°傾けて取り付け、
容易にフラットホップ化できる事が特徴です。

また、公称内径6.23mm(実測6.265mm)ととてつもないルーズバレルです。

フラットホップ化に伴い、ファイアフライ 電気なまずとの併用を推奨しているので
今回はノーマルシムゴムと電気なまずで2回グルーピングを取ってみました。
エントリーNo.5 ファイアフライ かっぱバレル

材質 : 真鍮 + POM
仕上げ : 地肌
全長 : 364.5mm
外径 : 8.551mm (デジタルマイクロメータで測定)
チャンバー側内径 : 6.050mm (内径マイクロメータで測定)
マズル側内径 : 6.190mm (内径マイクロメータで測定)
特徴 : BB弾保持用のPOMインサート付
価格 : \10290
パッケージ付属 取扱説明書
メーカURL

ファイアフライが販売しているバレルで、バレル内にPOM製のインサートを入れ
弾の保持をタイトにしているのが特徴です。

バレルも公称6.15mm(実測6.190mm)のルーズバレルになっています。
ノーマル ホップ状態 1 2 2 4 5 最大 最小 高低差 平均 平均J値
最小0.2g 87.5 87.4 87.3 87.9 87.8 87.9 87.3 0.6 87.6 0.77
最大0.2g 85.6 85.6 85.8 85.3 85.7 85.8 85.3 0.5 85.6 0.73
最小0.28g 73.7 73.4 73.2 73.8 73.7 73.8 73.2 0.6 73.6 0.76
最大0.28g 70.6 70.4 70.5 70.1 70.0 70.6 70.0 0.6 70.3 0.69

参式 ホップ状態 1 2 2 4 5 最大 最小 高低差 平均 平均J値
最小0.2g 89.1 89.2 89.2 89.2 88.7 89.2 88.7 0.5 89.1 0.79
最大0.2g 87.0 87.1 87.1 87.0 87.1 87.1 87.0 0.1 87.1 0.76
最小0.28g 74.2 74.1 74.4 74.1 73.9 74.4 73.9 0.5 74.1 0.77
最大0.28g 70.0 70.2 69.8 70.5 70.1 70.5 69.8 0.7 70.1 0.69

マグナス ホップ状態 1 2 2 4 5 最大 最小 高低差 平均 平均J値
最小0.2g 77.2 76.9 77.5 77.2 77.2 77.5 76.9 0.6 77.2 0.60
最大0.2g 77.1 76.6 77.2 76.8 77.0 77.2 76.6 0.6 76.9 0.59
最小0.28g 62.4 61.5 61.7 61.8 62.3 62.4 61.5 0.9 61.9 0.54
最大0.28g 62.2 61.9 62.3 61.8 62.2 62.3 61.8 0.5 62.1 0.54

マグナスなまず ホップ状態 1 2 2 4 5 最大 最小 高低差 平均 平均J値
最小0.2g 78.4 78.8 77.9 77.7 77.8 78.8 77.7 1.1 78.1 0.61
最大0.2g 75.9 76.0 76.2 76.5 76.0 76.5 75.9 0.6 76.1 0.58
最小0.28g 63.7 64.1 64.4 63.8 64.2 64.4 63.7 0.7 64.0 0.57
最大0.28g 60.6 61.0 61.0 60.6 60.6 61.0 60.6 0.4 60.8 0.52

ツイスト ホップ状態 1 2 2 4 5 最大 最小 高低差 平均 平均J値
最小0.2g 85.8 85.5 85.4 85.0 85.5 85.8 85.0 0.8 85.4 0.73
最大0.2g 85.1 84.9 85.0 85.1 85.1 85.1 84.9 0.2 85.0 0.72
最小0.28g 71.1 71.0 71.3 71.2 71.2 71.3 71.0 0.3 71.2 0.71
最大0.28g 69.9 69.6 69.6 69.6 69.6 69.9 69.6 0.3 69.7 0.68

かっぱ ホップ状態 1 2 2 4 5 最大 最小 高低差 平均 平均J値
最小0.2g 83.5 83.9 83.3 83.8 83.5 83.9 83.3 0.6 83.6 0.70
最大0.2g 77.0 77.0 77.3 77.4 77.7 77.7 77.0 0.7 77.3 0.60
最小0.28g 68.5 69.2 69.3 69.0 68.8 69.3 68.5 0.8 69.0 0.67
最大0.28g 58.7 58.7 59.5 58.5 59.7 59.7 58.5 1.2 59.0 0.49

各バレルの初速は、上記の通りとなりました。実験環境は

使用銃 : 東京マルイ 電動P90
メカボックス : Ver.6
ピストン : ノーマル
スプリング : ノーマル
シリンダー : KM企画 ワープシリンダー400(バレル長300〜450mm対応品)
ノズル : ノーマル
使用ホップパッキン : 東京マルイ ノーマル
使用シムゴム : 東京マルイ ノーマル(一部ファイアフライ 電気なまず)
弾速計 : Combro cb-625
ホップ : 最小はギリギリ弾こぼれしない程度、最大はホップダイヤルを目一杯回した状態
使用BB弾 : G&G 0.2gバイオ(ホワイト) & MADBULL 0.28gバイオ(G&G 0.28gバイオとほぼ同等品?)

です。

初速データを見て見ると、ルーズバレル系が数値、安定性共に低いのが分かります。
これは弾の保持位置の問題で、ルーズバレルは弾のセンターとバレルのセンターが離れがちで、
そのガタが保持位置のばらつきに繋がり初速が安定しなくなる傾向にあります。

Magnusバレルはフラットホップで、保持位置の適正化効果があるにもかかわらず安定性が悪いのは
内径が広すぎてノズルとの間にガタが生じやすくなった為と思われます。
対して、センター保持効果の高いかっぱバレルが低いのは、弾をタイトに保持しすぎているからです。
弾を発射する際、パッキンのみならず外周で保持する形になっているので摩擦のばらつきが生じ、それが弾速に出たと思われます。
安定性に関しては、ノーマルノズルの場合はルーズバレルより一般的な内径のバレル、または参式の様な
最低限の接点でセンターに弾を保持する形式が有利なようです。

次に注目したいのが、ホップ強弱によるエネルギー減衰の割合です。
ホップを強くすると抜弾抵抗が上がり、隙間からエアが漏れる事で一般的には初速が下がる傾向にあります。
面白いのがマグナス&ツイストバレルで、強弱による変化があまりありません。

Magnusバレルの場合、フラットホップに見られる現象で、長く浅くかける事で少ない突き出し量ながらしっかり回転をかける事ができ
エネルギーロスを最小限に抑える事ができます。もちろん、最大ホップにすると上にかっ飛んでいくほどの強ホップとなります。
面押しのなまずで効果が薄かったのは、ノーマルシムゴムに比べ突き出しが大きく、抵抗になるほどパッキンが突き出してしまうからです。
この場合、弾詰まりに近い感じとなり、弾道は伸びる事なく失速して落ちてしまいます。

ツイストの場合、ホップ窓の加工が浅い事から、強制的に突き出し量を抑制して大きな抜弾抵抗になるのを防いでいます。
しかし、シムゴムを強い力で押しているので、パッキンの逃げが少なくなり、少ない突き出し量で強いホップをかけられます。
(これには大きな弊害もあるのですが、それは後ほど述べます)

かっぱは、、、保持が強烈過ぎて、気密漏れを起こしているようです(汗)

それでは、グルーピングを見ていきましょう。
グルーピング測定はMADBULL0.28gwp使用し、弾道が30m先までフラットになるくらいに調整しています。
ルールは30mチャレンジに則り、10発×3セットのグルーピング測定を行います。
ノーマルバレル

1回目 : CTC(Center To Center) 181mm
2回目 : 9/10
3回目 : 7/10
合計 : -- (26/30命中)
大きな画像
参式滑空銃身

1回目 : CTC 169mm
2回目 : CTC 193mm
3回目 : 9/10
合計 : -- (29/30命中)
大きな画像
ツイストバレル

1回目 : 7/10
2回目 : 7/10
3回目 : 6/10
合計 : -- (20/30命中)
大きな画像
Magnusバレル + ノーマルシムゴム

1回目 : CTC 141mm
2回目 : 8/10
3回目 : 8/10
合計 : -- (26/30命中)
大きな画像
Magnusバレル + 電気なまず(中辛)

1回目 : 9/10
2回目 : 9/10
3回目 : 9/10
合計 : -- (27/30命中)
大きな画像
かっぱバレル

1回目 : CTC 210mm
2回目 : 9/10
3回目 : 8/10
合計 : -- (27/30命中)
大きな画像
上記の様な結果となりました。
結論からすると、30発を全弾A4サイズ内に入れられた組み合わせはありませんでした。命中弾の多い順番に並べると、、、

1 : 29発 参式滑空銃身
2 : 27発 Magnusバレル + 電気なまず(中辛)
2 : 27発 かっぱバレル
3 : 26発 ノーマルバレル
3 : 26発 Magnusバレル + ノーマルシムゴム
5 : 20発 ツイストバレル

と言う結果になりました。

一番結果が良かったのは、最低限の加工で後はほぼスタンダードな仕様とした参式滑空銃身、
続いてフラットホップ的組み合わせのMagnusバレル+電気なまず(中辛)とかっぱバレル、その次がノーマルとMagnusバレル+ノーマルシムゴム、
そして明らかに当たらなくなったツイストバレル、と言う順番となります。

ツイストバレルは先に述べた通り、ホップ窓の加工が浅く、ホップをかけるとパッキンの逃げが少なくなり
ガチガチに固まった状態で弾を発射する事になります。これではホップが毎回均一にかかる事はなく、イモネジ直押しホップに近い構造になってしまいます。
弾道はバラバラで、上下左右全方向にばらつきます。逃げのないホップによく見られる、強烈なスライス弾も発生しています。

その他は撃っていて、強烈な飛ばしはなく、ターゲットペーパーをA3にすれば、全弾入ってしまう程度の僅かな反れでした。

今回、初速と命中精度という観点から、特殊形状バレルを比較してみましたが、今回の条件下において
ノーマルと比べ、はっきりと効果がある!と言えたのは、参式滑空銃身だけでした。
他のバレルはいずれもトレードオフが大きく、Magnusとかっぱは1発多く命中する為だけに大幅なエネルギーロスを代償とします。
残念ながら、装着するだけで無条件に大幅な命中精度向上!と言う謳い文句に対しては疑問符がついてしまいます。

ただし、それは今回の条件下という大前提の元の話です。
人それぞれのセッティングにおいては、違う結果となる事が十二分に考えられます。
大事なのは一部の結果だけを見て当たる、当たらないを判断するのではなく、そこからそのバレルの長所短所をくみ取って、
それらを補ったり伸ばしたり、生かしたりするセッティングを編み出す事にあると私は感じます。