トイテック M134 バルカン

トイテックがエアガンメーカーだった頃に発売された超ド級電動ガンです。
実銃通り6本のバレルを備え、それに応じて
ピストンとシリンダーも6本装備されています。

バレルが回転すると同時にコッキングが始まり
ピストンが一定位置に来ると開放され、それが連続で起こります。
その連射速度は、12Vバッテリーで秒間50発に上ります。

今回はそんなM134のチューン記を執筆していきます。
不具合が報告されたのは給弾で、数回に1回出ないと言うことでした。
分解してみるとノズルが1個潰れていました。
また、BB弾分離プレート(パーツナンバー1104、中央の黒いプレート)の
バリが酷く弾がなかなかスムーズに移動しません。

この辺りの解決および改良、修理を中心的に行っていこうと思います。
2004/6/17日
弾を押し上げる部分が欠けていた事が判明しました。
此処が欠けていると、弾を最後まで押し上げられず
結果、内部にどんどん弾が溢れていき
最終的にはギアに弾が挟まってクラッシュしてしまいます。

折れた部分にφ1mmの穴を2ヶ所空け、
ピアノ線で給弾補助部を新設し給弾不良を解決しました。
ノズルもφ6mmの真鍮パイプをエポキシで付け直しています。
本体中央の中身です。
この様に、6本のシリンダーアセンブルが配置されています。
シリンダーの後ろについているのはベアリングで、
高速回転&カムによりシリンダーが前進した時の
抵抗を和らげる働きをしています。

このバルカン、至る所にベアリングが多数使用されているのも
特長の一つです。
2004/6/19
給弾不良も無事解決し、快調に動作しています。
サイクルは12Vバッテリーで秒50発
(無くなりかけでも、秒30は出ています)

初速はMAXI0.2gで83.24m/s出ていました。
十分実用範囲内の初速です。

今後、ホップを搭載してゲーム仕様にするとともに
耐久力アップを目指していきたいと思います。

2004/6/20
動作の様子を動画に撮りました。
動画1 本体動作
動画2 4mでの実射風景
2004/6/26
本体側のチューンは終わりましたので、ホップ化に入ります。
バルカンのバレルはVSRのシリンダー同様、
分解防止の為に止まり穴に割りピンを打ち込み、
はみ出したピンを削って取れないようにしてあります。

割りピンはφ2ですので、φ2.5のドリルで割りピンごと削り取ります。
そのままではバレルが取れてきますので、
M3のタップを立ててイモネジを打ち込み、固定します。

バルカンのバレルは外径8mmの為、流用できる物が限られていました。
そこで、ノーマルに溝を切ってホップを新造(写真取り忘れました)
シリコンOリングをスライスした物をパッキンとして使っています。

ノーマルでは飛距離が15m程度でしたが、これにより30m以上の
飛距離となっています。
今回弄ったトイテックバルカンの説明書です。
現在の電動ガンやガスガンとは比べ物にならない程
膨大な量の説明書です(^^;
バルカンがどのようにして1本1本のピストンをコッキングしているか気になる方は多いと思います。
上の写真はバルカンのメインユニットの部品展開図なのですが、
この展開図の405番のパーツがコッキングを行なっているカムです。
この部品は螺旋状にプレスされた厚い鉄板で、401番のメインユニット内壁に設置されています。
ピストン横にベアリングがついていて、それがこのカムと常時噛み合っています。

バレルがモータにより回転し、それと同時にピストンも回りはじめると、ベアリングの付いたピストンは
カムに沿って徐々に後退し、螺旋の頂点部分で開放され発射されます。

ノズルはシリンダに固定されていて、ノズル全体が前進する事によりチャンバーへ弾を送り込んでいます。
(ノズル前進は、シリンダ後方に設置してあるベアリングがメインユニット後方に設置されたカムで押されて行われます)
3000発発射後、メンテナンスの為バレルユニットを外した所です。
トイテックバルカンは給弾機構の都合上、物凄く弾が削れます。
よって、給弾と同時に弾の粉が写真のように入り込んでしまいます。

一日遊んだらここと給弾ホッパ内を掃除してあげる必要があります。

2004/7/3
バルカンは無事、依頼者の元へ帰還いたしました。
これからメンテや修理で来る可能性がありますので、
その時はさらにチューン記録を取って行こうと思います。

最終チューン状況
初速:89.7m/s〜81.6m/s(MAXI BB 0.2g使用、6発のばらつき)
飛距離:ホップ搭載で水平約35m。その後少し浮き上がり、落ちます。
命中精度:35mで5m四方にばら撒きます。