FLAT HOPと同じ構造を持つ市販品と開発推移

今回公開したG-HOPは前後に広いパッキンでホップをかける
「FLAT HOP」と言う構造を取っています。
このFLAT HOP構造はG-HOP、ガンジニアが発祥ではなく
古くから存在するホップ形式でした。

私が記憶している限りでは、WA M1911用のカスタムバレルで
シリコンゴムシートを貼り付けていたのが最初だと思います。
その後も、同様の構造をしたカスタム品が数点ありましたが
いずれも猛烈な強ホップで、とても実用的ではなく、自然と消えていきました。
FLAT(長かけ)という概念だったのかどうかは不明です。

改正銃刀法により、パワーで飛距離を稼いでいた時代が終わり
規制値内でいかに飛距離を出せるかと言うのが注目され始め、
30mチャレンジを行っていた仲間内でも自然とその流れとなってきました。

奇しくもその頃、30mチャレンジで好成績を出していたホップ構造が「FLAT HOP」構造であり、
2006年EXTREMEにお越しいただいたHIROさんが、抜群の飛距離を叩き出していたHOPも
「FLAT HOP」であった事から、本格的な開発がスタートしました。

その間、市販品でも知ってか知らずか、同じ構造を持ったものが
いくつもリリースされています。今回はそのうちのいくつかを紹介します。
こちらはK.T.W. M70のチャンバーパッキンです。

市販品で最高クラスのグルーピングを叩き出すK.T.W.のM70は、
実は「FLAT HOP構造」のチャンバーパッキンを採用しています。
ホップ部を覗いてみると、幅の広い平らな形状になっているのが
分かると思います。
これがバレルのホップ切り欠きに乗り、ナチュラルに弾を保持する
FLAT HOP方式となります。もちろんノズル長の適正化効果もあります。

しかし、パッキンを上から一点で押さえる支持方式の為、
「面押し構造」とはならず、命中精度は高くても飛距離が出ませんでした。

これに小改良を加え、面押しにしてやると一気に低伸弾道化します。
次に紹介するのは、TANAKA S&W M327に搭載されている
チャンバーパッキンと支持方式です。

このM327は、当たらないと悪評だったガスリボルバーでも
特にグルーピングの悪いペガサスリボルバーの常識を覆し、
オートに匹敵するだけの高いグルーピングを叩き出します。

このグルーピングの影にも、FLAT HOPが生きています。
パッキンを裏返すとこんな感じになっています。

パッキンはガスボルトのA.I.C.S.に採用されていた四角型のパッキンで、
前後に広い上に緩いテーパーまでかけられたFLAT HOP式になっています。

A.I.C.S.は全然ノズル長が足りない上にガスボルト特有の不安定な
ガス放出やパッキンを直接押す支持方式でグルーピングは滅茶苦茶でしたが
このM327は凹型の可動式レバーでパッキンを支持し、
バレルにも緩やかなテーパーがかけられている事で
シリンダーから射出された弾をパッキンで受け止め、緩やかかつしっかりと
回転と方向を整えることで、命中精度を向上させています。
突起を突き出すと、こんな感じになります。
この突起が前後に長く配置されています。

このように、市販品でも確かな効果を発揮している物もあり
なかなか注目される機会はありませんでしたが、
「FLAT HOP」と言う方式は永い眠りから目覚め、
この時代で再びその効果を発揮することとなりました。

命中精度、飛距離はどんな要素で向上するのか?
現状で採用している物にどんな欠点があり、どう克服するか?
行き詰った時、意外と昔の知恵が役に立つかもしれません。